車椅子のおじさんの小説139 | 車椅子のおじさんのブログ

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 1時間ぐらいで、吉祥寺の正美さんが住んでいる家の前に着いた。

 昌、ここか?

 カーナビがここだと言っているから、ここだろう。

 この家はでっかいなあ。

 そこは吉祥寺のメインストリートから1本入った静かな所で、洋風の大きい家が建てていた。

 2人が車の中でそう話していたら、その大きい家の中から松下奈緒によく似た感じで緑の半そでのブラウスと赤いスカートと紺色に塗装した足で赤いサンダル姿の正美さんらしき人が出てきて、2人が乗っている車の窓をそっとたたいた。

窓をたたくその人 すみませんが、窓を開けてください。

 昌は手動式の窓を急いで開けた。

窓をたたいた人 すみませんが。あなたたちは、コンビ・テツ&マサルのお2人ですか?

昌 そうです。

その人 私は先月にメールを差し上げた片山川正美です。私たちのために愛知の方から来ていただいて、ありがとうございます。

昌 俺たちは仕事で来ましたから、そんな気がつかなくてもいいです。車は、どこに止めたらいいですか?

正美さん この家の車庫に止めてください。

 正美さんがそう言いながら、大きい家のとなりにある3台分の駐車場を指した。

昌 どうもありがとうございます。

 昌はそう言って、先にトランクから車椅子を出して鉄三郎をそれに乗せた後に両端に2台の車を止まっている駐車場に車をバックで入れた。

 その駐車場には、正美さんの車らしき黒いマークZブリッターとワインレットのロールイスルイスのルイラース2ドアクーペが止まっていた。

 それを見た鉄三郎は、こんな事を思っていた。

鉄三郎の心の言葉

 昌の車のとなりにどえらいすげえ車が止まっている。正美さんとさとみさんの家は大金持ちか?

昌 鉄、玄関に行こうか。

鉄三郎 うん。

 鉄三郎はそううなづいた。

正美さん 玄関はこちらです。私のあとについてきてください。

 正美さんの案内で玄関に向かった。

 2人は玄関に着いた。

正美さん 車椅子のままで上がってください。

昌 わかりました。相棒の車椅子のタイヤをふきますから、ぞうきんを貸してください。

正美さん わかりました。すぐにお待ちします。

 昌は正美さんに貸してくれたぞうきんで鉄三郎の車椅子のタイヤをふいた。

 その間、鉄三郎はネットオークションで買った競馬用のブーツをぬいでいた。

その様子を見ていた正美さん 普通は穿かないようなブーツを穿いているから、相棒さんはおしゃれですね。

昌 個性的なおしゃれをするやつですよ。鉄、ブーツを脱げるのか?

鉄三郎 ちょっと無理だ。

昌 そうか。脱がせてやる。

正美さん 相棒さんは、このブーツを初めて穿きましたか?

昌 そうですよ。

正美さん そうですか。居間まで案内します。

 2人は、居間に案内された。

 居間は落ち着いた雰囲気の部屋で、部屋の真ん中にワインレットのソファーがあった。

 昌は、鉄三郎の車椅子をソファーの横につけた後に、ソファーに座った。

 正美さんもソファーに座ったところで、あらためて自己紹介をした。

鉄三郎 あらためまして、コンビ・テツ&マサルの熊鉄三郎です。よろしくお願いします。

 昌は鉄三郎の言葉がわかりにくいから自分が通訳する事と鉄三郎の自己紹介の通訳を言ったから、自分の自己紹介をした。

昌 同じく永沢昌です。写真担当です。よろしくお願いします。

鉄三郎 今は、さとみさんはご両親と暮らしていますか?

正美さん いいえ。さとみを親元においていたら、本人の意思を無視して何をされるのかわかりませんから、母方の祖父に事情を言ったら、2人ともおじいちゃんの家においでと言ってくれました。ですから、この家は祖父の家です。

鉄三郎 やっぱりそうでしたか。さとみさんは今いますか?

正美さん 夏休みなので子供向けのディサービスに行っていて、夕方帰ってきます。

鉄三郎 そうですか?それでは、今までの事をくわしく話してもらえますか?

正美さん はい、わかりました。

                                    つづく