車椅子のおじさんの小説34 | 車椅子のおじさんのブログ

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俺も、準備を伊藤さんにやってもらっている。

春丸くん、照子さんの思いに答えてあげな。

大好きな照子のために、がんばるわ。

2人とも、準備ができた。

私は準備ができたけど、春丸は?

できたよ。

東本島さん、カーテンを開けてください。

東本島さんがカーテンを開けると、ゼロの姿の照子さんが見えた。

肌は白い花びらを神様に全身に張ってもらったようで、体全体は照子さんが好きな花たちの美しさを与えられたようだ。

この姿はどう?

俺は、感じた事を言った。

そう言ってもらえて、うれしいよ

照子さんがうれし泣きをした。

すみませんが、時間ですからやる事がないでしたら、帰らせていただきます。

伊藤さんにかけ布団を出してくれましたら、帰ってもいいですよ。

はい、わかりました。すぐにかけ布団を出します。

わしは、若い2人が布団の中で絡まっているのを見ながら寝るか。

どうぞ。見てください。

ご勝手に見てくれよ。

さあ、お布団に入りましょう。

そうだね。

2人は布団に入った。

春丸、完全にゼロの姿にならなかったね。

うん、照子にグロテスクな物を見せるべきではないと完全にはならなかったよ。

かんで、春丸はそうするだろうなあと思い、私も完全にはならなかったよ。

その方がよかったよ。もしも照子が完全になったら、もっと頭の中がもっとパニックになってしまうような気がするよ。

今、パニックになっているの?

ちょっとなっているけど、思っていたほどにはなっていないよ。

それはよかった。お互いの体をさわって、ふれあおう。

エッ、さわるの。

文句を言わないで、さわるの。

はいはい、わかりました。

返事は1回。

はい。

2人はそうした。

さわって、どうなの?

肌がすべすべしていて、これが1人前の女の人の体かと感じているよ。

その時、2人の布団からちょっとはなれた所にあるソファーからこんな音が聞こえてきた。

ガーガー。

今のは何?

アー、伊藤さんのいびきだよ。すごいでしょう。

音がする物がなくて、今はとても静かだから、いきなり聞こえてきたから、ビックリしたよ。

そうか。

話が戻るけど、さっさ体の事をほめてくれた時に、思春期で自分の体が大人らしく変っていく時に、大変だったなあと思い出したわ。

何が大変だったのか?

小さいころの私は、大きい発作があったわ。突然、自分の意思に関係なく手足が動いてしまったよ。お母さんや幼稚園の先生に肛門から発作のお薬を入れてもらって、お母さんや幼稚園の先生におしりからお薬を入れたから、大丈夫だよと言われたら気持ち的に安心したわ。幼稚園を卒園するころには発作がぜんぜん出なくなったよ。

発作が出なくなって、よかったじゃん。

ところが、小3の時にお医者さんにてるちゃんの体が大人になっていく時に、また発作がまた出るかもしれないと言われたの。自分がだんだん大人らしくなっていくのがものすごくうれしいけど、発作の苦しみがまたあるかもしれないから、不安で胸がいっぱいだったわ。

それで発作が出てしまったか?

残念ながら出てしまったの。学校で授業を受けていても、家族と楽しくごはんを食べていても、夜気持ちよく寝ていても、突然発作が私をおそったわ。

今は、発作は出なくなったのか?

小5のころから中1のころまで出ていたわ。今はまったく出ないわ。大人になってからお母さんに聞いたけど、女性ホルモンの影響で出たじゃないかという事だよ。あの2年間はちいさいころよりもつらかったけど、自分でもいいスタイルだなあ。重いハンディがあるけど、女に生まれて、よかったなあとあのころは思っていたわ。

そんな大変があったんだ。それだけ大人らしくなれたね。老化というドロボーが照子の大人の美しさを奪いに来ても、大人の美しさをギュッと抱きしめていたら、絶対に奪う事ができないよ。

いつまでも、若々しい顔やいいスタイルでいたいから、もしも春丸が言ったとおりだったら、メチャクチャ努力するわ。

おばあちゃんの照子はあまり見たくないから、何十年後でも1人の

女でいてくれよ。

わかったわ。

好きな人がいつまでもできるだけ老けないで若々しくいたら、メチャクチャうれしいよ。

ねえ、聞きたい事があるけど。

何か?

ゼロの姿の私を見て、どこが1番好きなの?

俺は、全部好きだけどさと言いながら、しばらく考え込んだ。

考え込んだから5分後、こんな事を言った。

まず2番目好きな所を言いたいけど、いいかなあ?

早く1番を聞きたいけど、いいわ。

2番目は、ものすごい長い足だよ。いつもは大人らしく塗装されてもらっているから、初めて生足を見たよ。生足でもメチャクチャきれいだから、大人らしく塗装されてもらったら、メチャクチャきれいになるんだなあと思うよ。

足を塗装されてもらうのが大変で、母がいやがって、ヘルパーさんの中にいやがっている人がいるけど、見知らぬ人にも1人前の女性に見られたいから、ヘルパーさんにお願いして、塗装してもらっているの。

そうか。重いハンディを持っていても、大人らしいおしゃれをしている人が大好きだから、どんどんしてくれよ。

ねえ、1番好きな所は?

照子のシンボルだよ。初めて、ゼロの姿で女の人のシンボルを見たけど、これがシンボルなのか。言葉で表現できないぐらいにきれいで、すごい大きいなあと思うよ。さわってみたら、中華まんにさわっているみたいだ。

そう言ってくれて、ありがとうね。だけど、実はこのシンボルはお医者さんに作ってもらったの。

俺は、ちょっとビックリして、このシンボルは医者に作ってもらったのか。

そうなの。発作の影響かもしれないけど、あまり大きくならなくて、ほとんどペチャンコのままだったわ。その時はまだ中学生だったから、そんなに気にしなかったけど、歳をだんだんとっていくうちに私のシンボルはどうして大きくならなかったか?という疑問を持ち始めたの。女に生まれて、やっぱりシンボルは大きくてきれいな方

がいいわと思い始めたの。その思いをお母さんに言ったら、その思いがあったら、美容整形の手技術を受けたらどうなの。お母さんは反対をしないけど、埋め込んだシリコンのバックがやぶれて、シリコンがもれる事故が時々あるみたいだから、絶対にそんな事故がおこらない技術が出てくるまで待ちな。もしも重いハンディがあるおまえがそんな事故になったら、健常者よりも何倍も大変だろうし、おまえがすごく悲しむだろうから、今はだめだよと言ってくれたの。手技術の技術は、だんだん発達してきて、そんな事故を絶対におこさない美容整形外科が出てきたから、39歳の時にお母さんがお金を出してくれて、受けたわ。手技術の3日後に、大きくなったシンボルをさわってみて、これで私は完全に1人前の女になったなあと実感したよ。

そんな手技術を受けた人をきらう人がよくいるけど、俺は自分がきれいになりたいという思いで手技術を受けて、きれいになったからいいじゃないかなあ。何もきらう理由がないのになあと思うよ。

こうやって、俺たちは布団の中で朝までからまっていた。

 朝、照子さんがヘルパーさんの手を借りて、だんだん大人らしい姿になっていくのを見てから、春丸は帰っていった。


                        つづく