おはようございます🌞

健康管理士KAZUです😀


今回は、新潟大学が発表した新しいメタボリックシンドロームの基準値について説明します。


◎56万人のデータを解析、メタボ診断基準の修正案を提案


新潟大学は、日本の18〜74歳の56万人の医療ビッグデータを分析し、 メタボリックシンドロームの診断基準を構成する各項目(ウエスト周囲径(WC)、血圧、血糖、血中脂質の基準値を、実際に心血管疾患 虚血性心疾患、脳卒中)の基準値を、実際に心血管疾患(虚血性心疾患、脳卒中)を発症したかどうかという結果に基づいて再設定し、診断基準の修正案を作成したと発表しました。


WCの基準値を、現行の[男性85cm、 女性90cm]から[男性83cm、 女性77cm]に変更し、さらには、従来のメタボ診断で必須項目とされているWCを、必須項目にしなくても、心血管疾患の高リスク者のスクリーニング能力は変わらないなどとしています。


修正案では、WCのほか、トリグリセリド(中性脂肪)値[男性130mg/dL以上、女性90mg/dL]、血圧[男性 130/80mmHg以上、女性120/80mmHg以上]、空腹時血糖値 [男性100mg/dL以上、女性90mg/dL]となり、基準値がそれぞれ現行より低下し、HDL(善玉)コレステロール値[男性50mg/dL未満、女性65mg/dL未満]については上昇しています。


この新基準を用い、判定を全体に 厳格化することで 、特に女性のメタボ該当者は大幅に増加します。


虚血性心疾患高リスク者は、日本 国内の現行基準では、特に女性の9割が見逃されていますが、これを 5割程度スクリーニングできるようになり、見逃しを大幅に減らせるとしています。


研究は、新潟大学大学院医歯学総合研究科血液·内分泌·代謝内科学研究室の山口友里恵氏、藤原和哉准教授、曽根博仁教授らの研究グループによるもの。研究結果は[Journal of Atherosclerosis and Thrombosis]にオンライン掲載されました。


◎特定健診とレセプトの大規模データを連結、56万人超のデータを解析


特定健診では現在、心血管疾患の高リスク者のスクリーニングのために広く診断されているメタボリックシンドロームは、腹部肥満、高血糖、血中脂質異常、高血圧を複数重ねもち、虚血性心疾患、脳卒中などの動脈硬化疾患リスクが高まっている危険な状態とされています。


現在、メタボの診断基準は複数あり、世界的に用いられるIDF(国際糖尿病連合)の基準、米国(NCEP~ATPⅢ)の基準のほか、日本では独自の診断基準が使われています。


これらの基準はそれぞれ、WCを診断に必須の項目とするか、構成する各項目の基準値に男女差を設けるか、あるいはそれらの基準値自体に違いがあるが、国や人種別の基準値が必要かどうかなども含めて、議論が行われています。


また、虚血性心疾患や脳卒中は、発症すると大きくQOLを低下させるにもかかわらず、メタボの診断基準による、両方を合わせた予測 能を検討した報告はほとんどありませんでした。


さらに、メタボの診断基準の各構成項目の基準値を、縦断観察に基づき心血管疾患の発症予測に最適化した場合、メタボの心血管疾患の予測性能がどの程度改善するかも不明でした。


そこで研究グループは今回、JMDCと共同で、診療報酬請求(レセプト)と特定健診の大規模データを連結して解析しました。


◎心血管疾患の高リスク者の見逃しを大幅に減少


研究グループは、特定健診と健康保険レセプトデータを合わせた分析によるより、2008年〜2016年に健診を受け、過去に虚血性心疾患、 脳卒中の既往のない18〜74歳の56万5,079人(平均 45.6歳)を対象に、虚血性心疾患や脳卒中(以後:心血管疾患)を発症したかを追跡し、メタボの日本基準、国際基準(IDF基準、NCEP〜ATPⅢ基準)の心血管疾患発症の予測能を検討しました。


さらに、メタボの診断基準の構成項目それぞれについて、心血管疾患発症予測のための最適値を算出して、修正新基準を作成し、心血管疾患の予測がどの程度改善するのかを検討しました。


その結果、従来の診断基準の虚血性心疾患、脳卒中の予測能は、おおむね同等であるが、メタボの各構成項目の基準値を最適化すると、 これまでの基準では女性で9割、男性で7割もあった虚血性心疾患のリスクが高い人の見逃しを、男女ともに約5割まで大幅に減らすことができることが判明しました。


この修正により、WCの基準値は、現行の[男性85cm、女性90cm]から、 新基準では[男性83cm、女性 77cm]へと、特に女性で大きく変更されました。


また、現行の日本基準では、W C が診断に必須の項目とされていますが、これを必修としない基準でも、心血管疾患予測能は変わらないことが示されました


◎メタボの有病率は男女ともに 26〜30%に大幅上昇


追跡期間5.2年(中央値)に男性3934例、女性893例が心血管疾患を発症しました。


心血管疾患の発症リスクは、既存の各メタボ診断基準、修正新基準でいずれでも、2.0〜2.7倍と大差が認められなかった 。


一方、メタボに有効率は、現行の日本基準では男性13.6%、女性 2.3%だったのが、新基準では、男女とも26〜30%程度へと大幅に上昇し、心血管疾患の感度は、日本基準で男性31.2%、女性9.0%だったのが、男女とも50〜55%へ大きく上昇しました。


一方、特異度は男性86.6%、女性 97.8%から男女とも70〜74%へと低下しました。


心血管疾患に対するメタボの診断基準の予測能力は、新基準を含む 診断基準間で大きな差は見られなかったが、構成する項目の各基準値を最適化した新基準では、現行の基準と比べて、特異度を大幅に低下させることなく有望率と感度を大きく増加させることが示されました。


これらから、メタボの本来の主目的である心血管疾患の高リスク者のスクリーニングのための性能が、かなり改善できることが示されたとしています。


◯現行基準及び閾値最適化基準の、虚血性心疾患、脳卒中発症リスクの関連(Cox比例ハザードモデル)


年齢で調整した結果、男女とも2~3倍で、診断基準による差は小さい。


女性は脳卒中に比べて虚血性心疾患の発症の方が、メタボの関連が高いことが分かります。




◯現行のメタボ各基準と、閾値を最適化した修正新基準によるメタボ有病率および心血管疾患発症予測の感度·特異度


メタボの日本基準の有病率は男性 13.6%、女性2.3%であり、感度は特に女性において非常に低く、代わりに特異度が高かった。


修正新基準では、有病率は男女とも26〜30%程度へ上昇し、特異度を大きく下げることなく、感度は50%程度まで上昇しました。




◎日本人は非肥満者でも危険因子を有してるケースが多い


[現在、ウエス周囲径の基準値は世界的に、人種·男女別に決定されていますが、血圧、血糖値、トリグリセリド値、HDLコレステロール値すべての項目でも、人種·男女差が存在することが示唆され、日本人では、今回の研究結果から得られた基準値を使用することで、大幅に見逃しが少ないスクリーニングが可能となることが示されました]と、研究者は述べています。


また、内臓脂肪の指標であるウエスト周囲径は、現在、メタボの診断のための必須項目となっていますが、日本人では複数の危険因子を有する非肥満者の有望率が高いという報告もあり、メタボの診断基準でウエスト周囲径を必須項目とすることは、非肥満者での心血管疾患の高リスク集団を見落とす可能性もあることが示されたとしています。


[今回の検討は、働き盛りの方々約56万人という大人数を含むため、男女別に、メタボリックシンドロームの各構成項目を細分化して詳細に分析することが可能になりました。


また、約5年間にわたり、実際に心血管疾患を起こした人と起こさなかった人を特定することにより、実際に発症リスクの高いかどうかを見分ける基準値を再設定することができました]。


また、従来のレセプトデータベースを利用した研究の多くは、請求に使われた病名(保険病名)を利用してきましたが、現実には、診断前 検査実施の必須要請などから、確実な診断がつく前に病名をつけることなどが多く、保険病名から真の疾患発症を正確に把握することは困難でした。


[今回は、その保険病名のみに頼らず、診療内容を精査し、薬物治療や治療処置を捕捉することで、虚血性心疾患、脳卒中の確実な発症者を漏れなく高精度で特定することができました。


今後は、特定健診に、現行基準の代わりに修正新基準を使用した場合の、国民医療費の影響の比較なども含めて検討していきたいと考えています]としています。


今回は以上です。

みなさん、今日も良い1日を!😀


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