おはようございます☀
健康管理士KAZUです!😀
今回は、健康阻害要因(飲酒)について説明します。
5]飲酒
わが国のアルコール消費量は、戦後、経済成長、国民所得の増加、生活様式の変化などにより急激な増加を示し、近年も女性の飲酒習慣の普及に伴って増加傾向にあります。
また多量飲酒者者(1日当たり平均純アルコールで約60g、日本酒に換算し3合以上飲む者)の数も増加しています。
飲酒による健康障害は、アルコール依存症、肝臓病など多くの臓器にわたる疾患があります。
このほか、アルコール関連問題として、労働災害、生産性の低下、交通事故、犯罪、家庭の崩壊など多くの社会問題を含んでいます。
また、近年では未成年者の飲酒、妊婦の飲酒、キッチンドリンカー (主婦のアルコール依存症)、高齢者の飲酒問題も対応を迫られる課題となっています。
アルコール関連問題対策は、国立療養所久里浜病院(1990年アルコール関連問題に関するWHO協力センターに指定された)におけるアルコール中毒専門病棟の設置にはじまり、同病院におけるアルコール中毒臨床研修の実施、精神保護センターにおいて相談指導事業が行われています。
従来は、アルコール依存症者に対する医療に重点が置かれてきましたが、適正飲酒の普及や問題飲酒者の早期発見·早期対応にも力が注がれています。
また、アルコール 販売側の対策も必要であり、関係各方面で取り組んでいくことが求められています。
(1)肝臓におけるアルコールの解毒·分解
適量の酒(アルコール)は胃腸を適度に刺激し、食欲を増進させたり、また、HDLコレステロールを増加させ、動脈硬化を防ぐ作用もあると考えられてきましかたが、最近、アルコールそのもの、アセトアルデヒドに有毒性がある事がわかりました。
また、飲み方を間違えると、食道炎や 急性胃腸炎などの急性の病気になることがあり、長期的には肝臓病、膵臓病、高血圧、脳血管疾患、心疾患など、あらゆる病気の原因になっています。
この様に(酒)アルコールそのものは、ストレス発散作用もありますが、基本身体にとって有毒であると考えるべきです。
では、酒(アルコールは)は、私たちの体の中に入るとどのように解毒·分解し処理されるのでしょうか。
酒に含まれるアルコールは、胃、十二指腸、小腸などで吸収され、肝臓に運ばれます。
肝臓へと運ばれたアルコールの80%ほどが、アルコール脱水素酵素(ADH) によって分解され、有毒な アセトアルデヒドになります。
アセトアルデヒドは、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって無害な酢酸に分解されます。
そして、酢酸は血液中に混じって 筋肉などに運ばれ、炭酸ガスと水に分解され、最終的に尿や汗、空気によって体外へと排せつされます。
また、肝臓にはアルコール脱水素酵素(ADH)の他に、ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)という酵素があります。
ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)は通常、薬剤を分解していますが、アルコール脱水素酵素(ADH)で処理できる量を超えた過剰のアルコールも分解することができます。
よって、肝臓に運ばれたアルコールの20%ほどが、ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)によって分解されます。
ちなみに、ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)においてもアルコールはアセトアルデヒドから酢酸へと分解されていきます。
急ピッチでアルコール飲んでも、肝臓はマイペースでしか処理できません。
そのため、[ゆっくりと飲むこと]が 原則となります。
一気飲みのような急激な過度のアルコール摂取は血中アルコール濃度を急上昇させ、急性アルコール中毒を起こしてしまいます。
(2)飲める人と飲めない人、その違いはALDHで決まる。
アルコールを[飲める人]と[飲めない人]がいますが、どちらのタイプであるかは、アルコールを分解する酵素を作り出す遺伝子を持つか、持たないかで決まます。
有害なアセトアルロイドを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)には4種類あり、このうち最も主要なものを[ALDH2]いいます。
ALDH2をつくり出す遺伝子には、さらに[AlDH2-1]と[ALDH2-2]という2つのタイプがあり、[ALDH2-1]を持っているか、いないかということがアルコールの分解能力に関係するとともに、[飲める]あるいは[飲めない]という体質を決めることになります。
※飲める、飲めないは両親の遺伝子の組み合わせが決めます(日本人には、お酒に強いタイプと弱いタイプが約45%ずつ、全く飲めないタイプが約10%です)。
(3)適量を守ってアルコールと付き合う
アルコールは飲酒後1〜2時間でほぼ吸収されますが、吸収とともに肝臓での分解も速やかに開始されます。
アルコールの分解速度は個人差が非常に大きく、その平均値は男性でおよそ1時間に9g、女性で6.5g 程度です。
例えば、男性が日本酒1号(アルコール量約22g)を飲むと、肝臓は2時〜3時間ほどでかけてアルコールを処理し続けなければなりません。
肝臓のアルコール処理能力を超えた量のアルコールが、体の中に入ってくると肝臓は不完全燃焼を起こしてしまいます。
こうなると過剰なアルコールは肝臓を素通りして全身にいきわたります。
これが生理的に[酔っ払った]状態です。
一方、代謝過程のアセトアルデヒドが血液中に流れて体内にとどまると、この毒性の強い物質は、吐き気や頭痛などの不快な症状を引き起こします。
これが[悪酔い]といわれる状態です。
このように不快な症状を引き起こさないためにも、酒の適量は一般的に日本酒で1日1〜2合(ビール1〜2本、ウイスキーW1〜2杯)までとなります。
日本酒で3合以上を毎日5年以上飲み続けると脂肪肝、5合以上を毎日飲み続けど10年で肝硬変になる危険性が高いです。
ただし、これは男性の場合であり、 女性はホルモンや体重、肝臓の大きさなどが影響して、男性より酒に弱いといわれています。
酒を飲み続ける期間も男性なら5年のところを女性は〜4年で、飲酒量でも男性の3分の2の量で肝臓が悪くなるといいます。
また、ホルモンの影響で、月経時にはアルコール処理能力が落ちるという報告もあります。
(4)赤·青·黄色で分かる酒の危険信号
飲めない体質の人は、アルコールを飲むとすぐに顔が赤くなります。
そして、心臓がドキドキして、しまいには不快感をもよおし顔面蒼白になることがあります。
いくら飲んでも顔色が変わらない人はかなり強いです。
酒で肝臓を悪くするというのは、むしろ飲める人の方です。
顔が赤く変わらなくても、黄疸で黄色くなったら、肝機能は危険な状態になっていることを示しています。
危険信号を灯らせないためにも、酒類別のアルコール度数や自分にとっての酒の適量を知っておくことが大切です。
その方法として、血中アルコール濃度から酔いの程度を知る方法などがあります。
※簡易的に、飲んだアルコール量をもとに血中アルコール濃度の計算方法(計算式)
血中アルコール濃度%={飲酒量(ml)×アルコール度数(%)}÷{833(体重1kg当たりの平均血液量)×体重(kg)}
(例)体重60kgでビール大瓶1本(633ml)を飲んだ場合
(633×4%)÷(833×60)=0.063
(5)飲酒対策
飲酒によって引き起こされる健康障害は、アルコール依存症や肝疾患、がんなどがあります。
また、労働災害、交通事故、犯罪など多くの社会問題とも関連しています。
[健康日本21(第二次)]のアルコール分野では、①生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少、②未成年者の飲酒をなくす、③妊娠中の飲酒をなくすという3つの目標を掲げ、対策を講じています。
なお、飲酒は飲酒者本人のみならず、家族、親戚、職場の者、知人、など広範囲の人に悪影響を及ぼすことが多いです。
この悪影響は健康問題のみならず 社会問題も含まれます。
健康問題では、家族の心の健康問題やそれに伴う自殺、暴力による外傷などに加えて、子供の発育障害なども報告されています。
一方、飲酒は家庭内暴力や虐待、飲酒運転による被害など、わが国における大きな社会問題の原因となっています。
健康日本21(第二次)の推進にあたっては、健康問題にとどまらず、このような社会的問題にも留意することが必要です。
※酒に飲まれないために!
●空腹時はアルコールの吸収が早まるので、アルコールの吸収を遅らせるタンパク質や脂肪分を含む栄養バランスの良いおつまみを食べながら飲酒する。
●飲みはじめてからアルコールの血液濃度が最高に達するにはある程度の時間がかかるので、飲みはじめの30分程度は意識的にゆっくり飲むように心掛ける。
●アルコール度数の高いものはストレートではなく、水で薄めて飲むなど何かと割って飲むようにする。
●水分をしっかり取って血中アルコール濃度を下げる。
適量飲酒を守って、明日の活力になるように楽しい雰囲気で飲む。
●週に2日はアルコールを取らないで、肝臓を休ませる[休肝日]をつくる。
今回は以上です。