京都大学原子炉実験所助教の小出裕章助教の新刊が発売されました。

隠される原子力・核の真実 原子力の専門家が原発に反対するわけ (単行本・ムック 小出裕章著)


この本には、日本が原子力に夢を求めて原子炉を作り、その時代に、原子力に一生をかけようとその世界に飛び込んだ小出裕章先生の半生と、原子力発電の本質、危険性について非常にわかりやすく書かれています。


小出先生は東北大学の原子力に進み、学生のときに、女川原発の集会に参加し、その頃から原子力発電に反対の立場を取ってきています。


そして京都大学に移られてからも反対していたことから、助教授や教授への道を閉ざされたようですが、それでも、正しいことを正しいと主張して一貫して原子力発電に反対してきました。その正義を貫く真摯な姿には心を打たれるものがあります。


そして今、小出裕章助教の言われていた危険が現実のものとして起きてしまいました。そして今も放射性物質を放出し続けており、危険性は去ってはいません。そして、原発から20キロ圏内に住居のあった方達はガンで死ぬ覚悟がなければ自宅に住むことは不可能でしょう(一部の汚染の非常に低い地域は別として)。


小出先生は原発無しでも発電量は十分まかなえる、ということをこの本の中でデータを交えて明確に説明されています。


原発は、原子爆弾、水素爆弾を作れるだけのポテンシャルを日本が持ちたいために、作ったという人もいるようです。実際、今プルトニウムを原料とする高速増殖炉もんじゅや、MOX燃料(ウランとプルトニウムの混合燃料)を使う原発が作られつつあります。


それらはすぐに原子爆弾に転用可能な高純度のプルトニウム239を製造しています。


そうした政権トップのおそるべき考え方までこの本には説明されています。つまり、政権中枢の人達が将来原子爆弾を日本も持つようになれるように原発を作ったということです。信じがたい現実が明らかにされています。


重いテーマを扱っていますが、とても読みやすく興味深い本です。それというのも、この本は小出先生の講演を元に専門家でない人が推敲を重ねて読みやすく書き直したためだそうです。それでいて科学的な正確性は完全に保たれています。一読をお勧めします。

隠される原子力・核の真実 原子力の専門家が原発に反対するわけ (単行本・ムック 小出裕章著)