野口豆腐の青年 | 基本、ビーズ織りnote

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【箱は笑いで満たされた。】
改題

自転車でお豆腐の引き売りをしている野口豆腐。


二年前に亡くなった叔母が贔屓にしていて


毎週買っていた。


当時は、そんな高いお豆腐買わなくたって・・とわたしは思っていたが


体調の悪い時にその引き売りの人に、例えばごみ出しなどを


頼んでいることをあとで知った。


叔母は1週間足らずの入院で突然亡くなってしまい


その人に伝えたのは叔母が亡くなって、少ししてからだった。


その人はそのとき泣いてくれたと叔母の姉である母も泣いて喜んだ。


以来、母が叔母を継ぐようにそのお豆腐を買うようになった。



今日、叔母の家の隣の人が話してくれた。


叔母が亡くなってからのこと、


野口豆腐のラッパが必ずいっとき鳴らないときがあり


気になっていて、あるとき外を見たら


叔母の家の前で手を合わせてじっとしている姿があったそうだ。


それは叔母の家が売りに出され


新しい人が入るまで続いていたと。



それを聞いたときは涙が出そうだった。


叔母の息子や嫁たちは薄情だったけれど


そんな関わりをした人がたくさん泣いてくれて


たくさん手を合わせてくれていた。



こういう優しさの気持ちを表すことが出来る人と結婚しなさいねと


娘に言っておいた。



野口豆腐で働きながらキックボクシングをやっている人。


夢を叶えることが出来るように祈ります。



ありがとう。叔母に代わってお礼を言います。ありがとう。