<後進国で頻発する民族虐殺の背後には謎の米国人ジョン・ポールの存在があった。米情報軍のクラヴィス大尉はインド、アフリカの殺戮の地にその影を追うが……小松左京賞最終候補の近未来軍事SF >
近未来のSF小説は
翻訳小説のようで最初は読みにくかったけれど、
そこを乗り越えたら一気に読んでしまいました。
題名のインパクトとは反対に主人公が繊細に思えたところが
軍事SFというジャンルを読みやすくしてくれたのかなと思います。
書き始めるまでの作業の密度が
どんなに高いものであったかがうかがい知れます。
あとがきに、授賞式に代わりに出席したお母様の言葉が載っていました。
両足がなくなっても20年30年生きたい
書きたいことがたくさんあると言っていたとのお話でした。
著者が34才の若さで亡くなられて
小説家としての活動期間が短かったのが本当に残念です。
この小説は小松左京賞に応募した作品と知ってSFを読まないわたしにとっては懐かしい名前だと思っていたら今日小松左京さんの訃報が載っていました。