- 葬式は、要らない (幻冬舎新書)/島田 裕巳
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日本の葬儀費用の平均は、231万円。
対して、アメリカは44万円、イギリス12万円。
どうして日本の葬儀は、こんなに高くつくのか。
葬式業者が介在するので、式場費とか人件費とか
莫大な費用がかかる。
葬式は、突然やってくる。
そして、当事者は、パニック状態に陥る。
結果として、すべてを業者にゆだねることになるのだ。
それだけではない。
故人の名誉と世間体にこだわって、かなり豪華な
葬儀になってしまう。
それが、「戒名」のランクづけである。
この本の著者である島田先生が、
きょうのお昼のテレビ番組“たかじん委員会”に
出演されていました。
この本が今売れているそうです。
うーーん。
私たちにとって、葬式無用論は死活問題。
葬式費用が高すぎるから、という理由で不要だと
するのなら、安くできる方法を考えればいい。
島田先生は、葬式が贅沢になっている背景に
「戒名」が果たしている役割は大きいと
言っておられます。
そして、その戒名にランクがあるんだと。
これが、おかしい!
もともと戒名は、出家した僧侶のためのものでした。
戒壇院で出家するとき、自らの誓いとして、仏教の
戒律を守り通すという意味での、戒名(出家僧としての名)で
あったのですが。
いつの間にか、死者につける名前になったようです。
私たちの宗派(浄土真宗)は、戒名とは言わず「法名」と
いいます。
「法名」とは、仏弟子になる名乗りであり、ランクづけなど
仏弟子はみんな平等なので、ありえないことです。
それも、死後ではなく、生前(生きているとき)に、仏弟子に
加わる名乗りとして、本山の本願寺でいただくものです。
そして、現実に、生前法名をいただいている方は、多く
いらっしゃいます。
生前にもらう事のできない方については、間に合わないので、
亡くなられたときに、僧侶がつけるものですが、料金を
いただくことはありません。私の場合。(念のため)
で、結論として、
葬式とは、あとに残った遺族が、自分たちの気がすむよう
にやればいいこと。
もう少し別の視点から言わせてもらうと、
葬式というのは、「死」という、厳粛な事実と向き合う
最高の機会であるということ。
生きるということ、人生の意味、
それらを自分に問いかける、絶好の機会なのです。
そういえば最近の葬儀で、子どもたちの姿を
あまり見かけなくなりました。
できれば、今の子どもたちに、
70、80年を生き抜いてきた、爺ちゃんやばあちゃんの
最後の姿を、しっかりと目に焼きつけてほしいのです。
少しでも多くの方に読んでいただきたいので、
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