知識と知恵そして智慧 | 微塵のごとく

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大震災からブログをお休みしていました。あれから、8ヶ月。ブログを再開しようかなと思いますが、さぁて?!

私の知人に、ある町の教育長を務めた人がいます。

彼はあるとき、隣の町の小学校に研修にでかけました。

研修といっても、学校の授業参観です。


その小学校は山間の学校で、複式学級で授業をしていました。

その参観したのは、2年と3年の複式学級。

若い女の先生が、緊張した面持ちで教壇に立ったそうです。


このときの授業は「さんすう」。

3年生のクラスは、全員が7名で、男の子5名・女の子が2名。

7名の3年生が、横一列に机を並べて黒板に向かっています。

その日は、割り算の授業でした。


30÷7=? というのが例題です。


解答式は、30÷7=4あまり2です。


その先生は、参観が有るというので、いろいろ工夫をされたのでしょう。

具体的に、30個のリンゴを使って授業をされたのです。


「30個のリンゴをみんなが7人で分けるとどうなるかな?」


うんうん、いいね。その調子。。。


「きょうは、あれを並べてやってみようね」


子どもたちは、袋の中から、おはじきのようなチップを

取り出して、机の上に並べ始めました。

30枚のチップが並び、子どもたちがガヤガヤと言いはじめました。


そして、一人の女の子が手を上げてこういいました。

「男の子が4個で、私と由美ちゃんが5個!」


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そうしたら、みんなが、「へえっ、そうか」ってうなづくんです。

えっ! ホント? そうなの。

 このクラスは、やっぱり女の子の方が実権を握ってるんだ(笑


先生は、少し、困って「本当にそれでいいのかな?」と

子どもの方に投げ返しました。


すると今度は、男の子の一人がこういいました。

「僕ら7人全員が4個で、残った2個は先生!」


ちょっと、シーーーンとしましたが、すぐにみんなが、

「これが一番いいっっっ!」。。。


みんながしっかり納得しちゃったんですね。


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これで一件落着かと思いきや、当の先生が、再び

「本当にこれでいいのかな?」(笑


教室内に笑い声が起こりました。

子どもたちと先生と参観にこられた教育委員会の人たち。


ある意味、みんなが妙に納得しちゃったんです。



私はその話を聞いてこう思いました。


30÷7=?を解いてみると、3つの答えが出ました。


① 30÷7=4あまり2

② 男の子が4個で、私と由美ちゃんが5個!

③ 僕ら7人全員が4個で、残った2個は先生!


私はあえて、この3つの答えをこう呼びたいと思います。


①は知識。

 頭で考えて、割り算というやり方を正確に学ぶこと。

②は知恵。

 「生きるための生活の知恵」です。

 この女の子のように、生きてくためには、時には貪欲にならないと

 いけませんね。たぶんこの子がお母さんになったら、

 スーパーのバーゲンには必ず出かけていくと思います。

 やっぱり、これだから、女の方が長生きするのかなと?(笑

③が仏教で説く「智慧」。

 リンゴのいのちの生かすにはどうしたらいいか。

 結局は、割り切れずに残った2個をどうするか、

 ということですから、今自分がおかれている立場とか、

 自分の周りがしっかりと見えていないと、こういう発想は

 出てこないと思うんです。


子どもたちの目は、いつも輝いています。

自分にも、みんなにも。。。


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