グラン・トリノ(映画批評下書) | ヤマモト探険記

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気の向くままの街歩き。

これは、クリント・イーストウッドからの遺言だ。

映画好きならば、絶対、観ておくべき映画だ。そして、彼からのメッセージを読み解かねばならない。

ストーリーは単純です、歳老いた師匠と若い弟子の物語。

では、老人は何を伝えようとしたのだろう。

主人公ウォルトは朝鮮戦争帰還兵、フォードの組立工であったことに誇りを持ち、自らを人種差別主義者だと言いう、頑固オヤジ。

しかし、本当は、過去に苦しみ、変わり行く世の中に戸惑い、自らが認めた者しか信じない、極めてまっとうな老人だ。

「このイタ公!」「なんだポーランド野郎!」そう言い合うのが、真のアメリカ男と信じ、自らが作ったクルマこそ一番と自負し、礼儀知らずや軟弱者は白人であっても怒鳴りつける…、古風だか、筋を通すアメリカ人なのだ。

古くても、72年型フォード・グラン・トリノがカッコイイ、アメ車なのと同じだ。

映画好きなら、必ず、イーストウッドのメッセージを受け取りに行くべきである。