その劇場は、駅から目と鼻の先、なんと、焼き鳥屋さんの二階です。道路に面した自動販売機の陰に隠れるように、入り口があり、入るとすぐに階段でした。
左右の壁には、踊り子さんの写真が並んでいました、一つ一つを見る間も無く、階段の上から、元気な声が飛んで着ました「どぞー、いらっしゃいませー」。
二階に上がると、すぐに受付があり、5・60代のおばさんが立っていました。
「はい、今なら3500円だよ。」
お金を渡すと、すぐに割引券をくれました「次からこれ持ってくれば500円引きだからね。」
券の裏を示し、「スタンプが一杯になったら、1回タダだからね。」
外出を訪ねると、「1時間半、あるからね、ゆっくりしてね。出るときに言ってね。」
お釣を貰い、気がつくと自販機の手前におじさんが座っていました、モギリの方と気がつくと同時に、入場券を貰っていないのに気づきました、「あっ、券を!」と言うと。
「ココで貰って、そこで切るんだから同じじゃない、半券欲しいの?」
本来のチケット売り場らしい壁際の小窓を指し、「今、ココの人、休憩だから。」
半券が無いと外出の時に困ると思ったのか、「大丈夫、顔覚えているから。」
モギリのおじさんと苦笑いして、半券は頂かずに場内へ。
ドアを開けて中へ入ると、すぐ、目に入ったのは、暗い中で光っているテレビでした。
舞台左脇の台にあるテレビではアダルト・ビデオが流れていました。
横浜、黄金町の劇場を思いだしました。
目が慣れて本舞台を見ると、幅は5・6m、花道が3mくらい、その先端には・・・・・・四角い、三畳くらいの舞台、「盆」でしょうかね。よく見ると、本舞台の床に円く仕切られた線が見えます、どうやら、回転盆のようです。
天井には、ブラックライトのような蛍光灯が並び、幾つかのライトはあるものの、ミラーボールやスポットライト、スピーカーの設備は見当たりません、舞台の反対側に投光室があり、大きなライトが舞台を向いていました。小さな体育館か映画館のような感じです。
花道を囲むように、パイプイスとバーやスナックにありそうな一本足の丸イスが50脚ほど並べて有りました、作り付けのイスが無いところが、やっぱり体育館のようです。
入った時は、6・70代の男性ばかり5人が花道とカブリツキのイスに、1人が本舞台前に、私をいれて7人でした。