福山雅治、柴咲コウのテレビドラマ「ガリレオ」の映画版。刑事ドラマやサスペンス劇場等とは違い、犯罪の謎解きを物理学的視点から推理するというのが面白い。「全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」と言うシャーロック・ホームズの消去法的捜査手法は有名ですが、ガリレオこと物理学者・湯川学博士は更に進んで「奇妙なこと」を物理学的仮説と実験により証明するという、実験主義的ホームズです。手品の種明かしのようで大好きです。
さて今作はTV版とは違い、湯川博士(福山雅治)を主役とするのではなく、容疑者・石神(堤真一)を主役とする、切なく哀しいラブストーリーでした。ストーリー的には柴咲コウの内海刑事はいなくても良かったです。推理について言えば、前半で大よその見当がつきましたが、見ごたえあるドラマでした。堤さんの演技がとても良かったです、最後に愛する人を守れなかった無念さから、石神が崩れ落ち号泣するシーンは圧巻でした、目頭が熱くなりました。ただ、石神の過去について、もう少し描いて欲しかったです、たぶん、原作には描かれているはずです、脚本化の際に端折ってしまったのか、編集の際にカットしたのでしょうか、残念です。
脅えながらも我が子を守ろうとする母親を演じた、松雪泰子さん、「フラガール」以来ですが、印象的で良かったです。