身体の半分だけ汗をかいて気分は多少良くなる、ただ首周りだけなのが気にはなっていて、なるたけ早く医者にかかるべきなのはあきらかなのだ、それでも朝になると忘れてしまうのはむしろそちらのほうが、健康には悪いんじゃないかと思えるのだ。
土日しか開いていない住宅街の中にある雑貨屋は美大出の若いオーナー夫婦が趣味で始めたのだろう、売り物の大半は売るにはあまりにもこ洒落た小物類や壁飾り、アクセサリーなどが窓際に飾られ、手書きの店看板もこじんまりした画廊や喫茶店が出していそうな感じのもので、毎回前を通る度に好ましいと思っていた、土曜の夕方前を通ると店に灯が点いていて店内にオーナー夫婦を初めて知り、想像していた感じからは其ほど外れてはいない容貌に店の雰囲気通りなのに安心して、いつかは一度入ってみようと思うのだった。
朝普段使っていない電車に乗ると痛いめに遇う、急行の始発を待つ間何故か三両分列が出来ない空間があり、不思議に思いながらも気にもせず独り車両の入線を待ちもはや他の列には三列六~七人の通勤客で並び直したところでシートの確保など、そう後戻り出来ない時に三両目から六両目までの通勤時間帯のシート無し運行をアナウンスで知り、成る程と納得しながら常連でなければ知り得ないこの負け具合に少し腹も立つのだったりした。
猛暑の年は寒いと言い、厳寒の年は暑いと言う、そうするとその間にある春や秋ははっきりと季節を主張するのだろうか、今年に限れば春は春らしく薄ら寒い日と暖かい日が交互に訪れ、紅葉も初氷も冬日にいきなりなりもせず、半袖を長袖に替える時期をちゃんと教えるよう気温も徐々に下がり、いつか行ったどこかの場所へ行きたくなったりするのだった。
とりたてて慌てて生きてきたのでもないこの日にやたらと香水やらオーデコロンやら柔軟剤の匂いやら、香辛料やら調味料の臭いを何故かやたらに強く感じて、耳障りなくらいに話し声や靴音、食器の当たる音が頭の中で響き、灯といわず反射した光が射すように輪郭をはっきりさせながら影の部分まで網膜に張り付いてくる、身体は特に快調でもないかわり悪い感じもしない、多少最近咳が出たり突然のぼせたりはするが寝不足だったりするのが、原因ではないかなどと勝手に思っている