『ペリー提督日本遠征記』によりますと、浦賀沖に停泊したペリー艦隊の旗艦「サスケハナ」艦上でアメリカが初めて幕府と交渉した際、浦賀奉行所の役人に「船を取り巻く(幕府の)番船を撤退させなければ武力で追い払う」(日本語訳を意訳=以下同)といい、役人は慌てて船上から指示を出して、番船を退かせています。
ペリーはまた、外国との唯一の窓口である長崎へ回航するよう求める幕府の意思を無視し、「この地で大統領の国書を渡すつもりだから無礼は許さない」という姿勢を貫きました。
2回目の交渉では、後述する香山栄左衛門という浦賀奉行所の役人が「江戸(城)へ(貴殿の来航を)報告し、訓令を仰ぎたい。それまで四日かかる」と申し出たところ、「蒸気船なら一時間で江戸まで航行できるので三日だけ待とう」と返答しました。
つまり、3日以内に返答がないなら、1時間で江戸まで艦隊を進めると宣言しているのです。
幕府への恫喝ととれなくはありません。
さらにペリーは各艦からボートを出させ、幕府の抗議を無視して江戸湾内を測量し、海図を作成しています。
このとき、江戸湾内の柴村(横浜市金沢区)まで測量していたことがわかっています。
(つづく)
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