織田信長の観察者「ルイス・フロイス」の謎④[信長との会見] | 跡部蛮の「おもしろ歴史学」

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 上洛をめざす織田軍の先陣として細川藤孝と和田惟政(これまさ)が永禄十一年(1568)9月23日、京に入りました。

 

 惟政は足利義輝の奉公衆だった武将。

 

 キリシタンのダリオ高山飛騨守友照(のちの高槻城主高山右近の父)に連れられて一度、京の教会を訪れています。

 

 そのためバテレンに好意的でした。

 

 その惟政が動き、フロイスは永禄十二年3月11日、信長の許可をえて、3年8ヶ月ぶりに京に入ることができました。

 

 しかしまだ、信長に会って布教の許可をえるという大仕事が残されています。

 

 惟政はフロイスを京の信長の宿舎である妙覚寺に案内しますが、信長はひと目のないところで宣教師に会うと洗礼を受けたと誤解されかねないと思ったらしく、このときには遠目でフロイスを見ただけに終わり、贈り物も黒いビロードの帽子を除き、すべて返却しています。

 

 こうして1回目の会見は失敗に終わりました。

 

 ここでふたたび惟政が骨折り、4月3日、ようやく信長との会見が実現します。

 

 フロイス、このとき38歳。

 

 信長は36歳ですから同年代です。

(つづく)

 

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