「彼の睡眠(時間)は短く、早朝に起床した。貪欲でなく、はなはだ決断を秘め、戦術にきわめて老練で、非常に性急であり、激昂はするが、平素はそうでもなかった(中略)自邸においてもきわめて清潔であり(中略)対談の際、遅延することや、だらだらとした前置きを嫌い、ごく卑賤の者とも親しく話した」
この性格の持ち主は誰あろう織田信長。
このほか、正確な観察にもとづき、信長は「中くらいの背丈で華奢な体軀。髭は少なく、はなはだ声は快調」という特徴まで書き残しています。
以上、他の史料では知ることができなかった貴重な証言を残したのがポルトガル人宣教師のルイス・フロイスです。
彼が日本滞在中に記した『日本史』はマカオで一八世紀半ばまで眠りつづけたましたが、ポルトガルの学士員らが発見、写本を持ち帰って刊行されました。
フロイスは『日本史』のほか、戦国時代の日本の習俗や宣教活動について本国などへ頻繁に書き送り、信長はもとより、”戦国日本“そのもの観察者ともいわれます。
そのフロイスの生涯を、信長との関係を中心に見ていきましょう。
(つづく)
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