光秀の居城・坂本城は、本丸を中心に三重の堀がすべて琵琶湖に直結していた水城でした。
そこから大きな御座船まで出入りしていたことも茶会記などで確認できます。
また、『信長公記』によりますと、「明智十兵衛、囲い船を拵え、海手の方を東より西に向って攻められ候」とあります。
つまり、船のデッキに遮蔽物をもうけた囲い船で、水上から堅田砦(大津市)を攻めています。
その水軍を使わない手はありません。
一方の山岡景隆も琵琶湖に面した瀬田城の城主。
やはり水軍を持っていたのでしょう。
琵琶湖を舞台にした船合戦で明智水軍は山岡水軍に阻まれ、坂本から安土へ小刻みに兵を送ることができず、瀬田橋の修復を待つしかなかったのです。
このほかにも、新史料はある伝説の真相をあぶりだしました。
「湖渡り伝説」です。
(つづく)
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