戦国武将の趣味[伊達政宗編]② | 跡部蛮の「おもしろ歴史学」

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グルメだった政宗は、ファッションにも凝っていました。


その第一の証拠は、仙台市内にある政宗・墓所(瑞鳳殿)の発掘調査によって、三十余点の副葬品の中から黄金製のロザリオ(キリスト教徒が用いる数珠)が確認されたことです。


だからといって、政宗がキリスト教徒だったわけではありません。


政宗は、ロザリオをアクセサリーの一種として使っていたようです。


また、朝鮮ノ役の出陣の際、足軽に金色に輝く奇抜なトンガリ笠をかぶせ、その伊達勢の豪華絢爛な装束に京の町衆が感嘆します。


そこから、「伊達者=派手な衣装を好む者」になったという説が流布されています。


ただし、それは誤まりです。


政宗登場の以前より「男だて」という言葉がありました。しかし、そんな誤解が生じるのも、政宗が正真正銘の“だて者”だったからではないでしょうか。


こんな話もあります。


ある日、アメリカのハリウッド映画関係者から仙台市博物館に政宗所用の「黒漆五枚銅具足」の写真を借りたいという依頼が入ります。


そして、その政宗着用の具足が映画『スターウォーズ』に登場するダースベイダー卿の衣装のモチーフになります。


政宗もまさか、死後三百五十年近くたって自分の甲冑がアメリカで“スター”になるとは思ってもみなかったでしょうが、まさに伊達男の面目躍如といったところです。

(つづく)