『赤い夕陽の渡り鳥』を観ました。
福島県に流れ着いた滝は、会津磐梯山で丸焼けになった山小屋を目にする。疑いの目を向けられた滝が話を聞くと、この辺りは二宮牧場が管理し、温泉の元湯が湧くという事で知られていたが、バスを運行させるための土地開発を目論む沼尻興業に狙われ、日常的に嫌がらせが続いているという。
街に着いた滝は、息子を助けた事が縁で知り合った越谷と再会。沼尻興業を手下に使い、悪辣な手段で土地を取り上げようとする越谷を諫める滝。
沼尻興業の小芝は、越谷への謀反を計画。滝は独断で実力行使に出た小芝を止めようとするが……といったお話。
要約すると、流れ者の滝が土地を奪おうとする暴力団と戦う話です。
シリーズ第4作。
やってる事はいつもと変わらず、まーた地上げ屋と戦う話ですかと(笑)。
けど、個人的にはそんなマンネリは嫌いではなく、いつもの雰囲気や世界観を楽しめるという安心感が好きなんですよ。昭和半ばの邦画には何作も続くシリーズが多いですが、どれも似たようなものなんでしょう。
逆に、2作目が前作と似たような内容だったとして、3作目からガラッと一変したとしたらシリーズとして長くは続かなかっただろうなと想像します。
まず滝伸次として小林旭さんは欠かせない。
役は違うけど宍戸錠さんと浅丘ルリ子さんも再び出演していて、渡り鳥シリーズはこのトリオが出てなきゃイヤッってくらいにハマッてます。
滝のライバルキャラ、今作ではハジキの政として出演していますが、殺意を抑えているどころかハナから殺す気なんかなさそうに見える宍戸さんの軽薄な芝居がいいんですよ。今作ではアゴ髭をたっぷり蓄えて、脱マンネリを図っているのかな?
そして浅丘さんに関しては相変わらず綺麗ので、こちらも十分シリーズを見る楽しみになっています。現代に復刻する可能性は低いですが(それでもゼロには感じない)、浅丘さんが着ているファッションに関しても可愛いんですよね。
滝が大勢のヤクザだかチンピラを相手にしての大乱闘シーンは、今作でも健在。
これは毎回思うんですが、殺陣のシーンでの1カットがずいぶん長いのが驚けるんですよ。
近代のアクションシーンは、素早い動きを見せる短いカットを多く使ってスピード感を出しているものの、1カットで相手と組み交わすのは二手三手程度。
これに対し、本作におけるそれは10や20どころじゃないくらいの振り(?)があるので、現代なら長回しと呼んじゃうレベルなんじゃないかと。
昔の人(主に自分)はすごかったんだぜと自慢する年寄りは煙ったく感じがちですが、そう言っても許される根拠はそれなりにあるものなんです。
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役名の文字表記が分からないのでWikipediaを参考にしているんですが、本作のページにある粗筋はヒドいですね。精神錯乱者が編集したとしか思えない。
今後は最も信頼度が高い日活の公式サイトを見るようにします。
