観た、『デス・レース2050』 | Joon's blog

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『デス・レース2050』を観ました。

 

アメリカ企業連合国=UCAが開催するデス・レース。アメリカ東部から西部を縦断するタイムを競うだけでなく、轢き殺した歩行者の数によりポイントが加算されるという、過酷で残酷なレースに人々は熱狂していた。

レースが始まり、疾走する5組のレーサーたち。一番人気はデス・レース最多出場であり、体中をサイボーグ化してまで参加するフランケンシュタイン。そんな彼のナビゲーターを務めるのは、政府に反旗を翻すレジスタンスの一人であるアニー。

ライバルを出し抜きながら、レジスタンスの妨害を受けながらレーサーたちは勝利を目指し……といったお話。

 

B級映画の名作と呼ばれる(時点でA級に比肩している)『デス・レース2000年』のリブート作品です。

「…デス・レース? ああ、ジェイソン・ステイサムが出てるヤツだろ?」という人も多そうですが……こちらの『デス・レース』(シリーズ)はリメイク作品、そして本作はリブート作品。

つまり、オリジナルの『~2000年』から派生した作品群と考えるのが良さげに思えます。

まぁ、この辺はあくまで個人的な解釈に過ぎないんですがね。何しろ、どっちの作品にもロジャー・コーマンさんがプロデューサーとして参加しているんだから、公式or非公式といった論争は不毛の極みなんでしょう。

 

とは言え、俺ッチはステイサムさんの『デス・レース』の方は一切見ていないんですが、あれらと本作を見た人であれば、オリジナル版との関連を強く感じるのは本作の方だと思います。

オリジナル版は1975年、本作は2017年の作品という事で、40年ものスパンを空けておきながら両作のビジュアルに大差がないのが驚けます

リブートとして、40年も前の作品と同じ事やるなら、作る側としては21世紀の最新技術を以て製作したい!と思うだろうに、これをやらないのは低予算を売りとする(?)ロジャー・コーマンさんのイズム?

全米が熱狂するほどのエンターテインメントでありながら参加するのはたったの5組(笑)ってのに始まり、レース用の車とかコスチュームとか、オリジナル版と大して変わらないんですよね。

オリジナル版の世界観を踏襲する意図があったのなら、リブートではなく続編にして欲しかったなぁ。

 

特に公言はなかった(と思う)けど、ストーリーとしてはオリジナル版と大同小異なので、リブート作品と呼ぶのが相応しいんでしょう。

そんな中、フランケンシュタインがレースに参加する目的がボヤけているように感じました。

オリジナル版ではレースに勝って大統領と握手する事が目的でしたが、本作のフランケンシュタインには最終目標がない、もしくは曖昧すぎるんですよ。そのせいか、終盤が近付くにつれて伴うハラハラ感が薄いように感じます。

結果的に世界が変わる終わり方は両作に共通していますが、その変わり方は70年代と10年代の違いというか、未来は明るく健全であるべきだという考え方が薄れてしまった表れなんですかねぇ…。

 

21世紀に復活させるには、あれだけアンモラルだった内容をマイルドにせざるを得ないだろうし、それじゃ別モノじゃん!と危惧する往年のファンも多かったでしょう。

…が、フタを開けてみればそんな懸念は無用、あの不謹慎極まりない世界観は健在。胡散臭い規制が増え続ける昨今の風潮に逆らうどころか、挑戦しているかのようです。これぞB級の特権というか(笑)。

ジャンル的にはカーアクションを装っているものの、正確にはアクションコメディなので、目くじらを立てた方が負けなんですよ。

 

もう一つの主役である車のデザインは、相変わらず最高です。

特A級映画であれば鋼板やらFRPを使ってツヤッツヤなボディに仕上げるんだろうけど、そんなのには程遠いダサカッコ良さが味があって好きです。

多くのマシンにはトゲや牙のような意匠が施されていて、近寄り難い雰囲気を与えます。さらには機銃やミサイルを装備して、僅かに(笑)カッコよく見えるものの、サッパリ使わないんだよね。

車の接触で殺した分しかポイントが加算されないのかなと思いきや、車を降りたドライバーが人を殺してもポイントが入るという…。

この辺の曖昧なルールについて討論するのも、本作の隠れた楽しみなのかもしれませんね。しないな…。

 

日本からも、70年代の変身ヒーローたちが乗ってたトンデモマシンを参加させたくなりますね。

今の目で見れば強烈なインパクトがある『イナズマン』のライジンゴーも、あれらに比べれば地味な方だね…。

 

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Blu-ray版の映像特典はメイキング等。

中でも、キャストによる自分の車の紹介が面白いです。総じて楽しそうな雰囲気が伝わってきます。