観た、『フレンチ・コネクション』 | Joon's blog

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『恐怖の報酬(’77)』がやっぱり面白いので、ウィリアム・フリードキンさんの監督作品繋がりで『フレンチ・コネクション』を観ました。

 

ニューヨークで麻薬捜査を担当するポパイとクラウディは、今日も強引なやり方で犯人を検挙していた。

ある日、バーに寄った二人はマフィア幹部が顔を連ねている光景を目撃。その中の一人、ボカに目を付けた二人は調査を開始する。

ボカがフランスの麻薬王シャルニエとの大きな取引に関わっている事に気付いたポパイ。ニューヨークにやって来ていたシャルニエを尾行する中、ポパイは殺し屋に命を狙われ……といったお話。

 

タイトルになっている”フレンチ・コネクション”とはフランスとアメリカを結ぶ麻薬のルートを意味する、現実にあった事件だそうです。

それまでのアメリカは麻薬は風俗犯罪程度にしか捉えておらず、この事件をきっかけに麻薬の売買が巨大なビジネスである事に気付き、取り締まりを厳しくするようになったんだとか。

本作はそんな実話を基にした、いわばドキュメント+ドラマ=ドキュドラマです。

そして、ウィリアム・フリードキンさんの作風は、こういうジャンルとの相性が良いように思えます。いかにも映画的な荒唐無稽もなく、無駄に音楽を鳴らさないのもドキュメント風。

男たちがひたむきに任務をこなす姿を描く、これまた男臭い硬派な作品です。

 

過剰な説明がないのもフリードキンさんのスタイルでしょうか。手っ取り早いところでは冒頭の、フランスで殺される男の正体とかね。

初見殺しな部分も多々ありますが(笑)、回を重ねて観るごとに理解が深まるのが良いんですよ。

映画力のある人はただ一度観ただけで理解できるんでしょうが、まだまだその域に達しない俺ッチのみならず、退屈だけど重要なシーンを看過してしまい途中から付いて行けなくなる人も少なくなさそうです。個人的にはシャルニエとデブローの関係とか、イマイチ分かりにくく感じたのでね。

何にせよ、付き合いが長くなりそうな作品が増えました。

 

正確には実話を基にした作品の映画化。

張り込み・追跡・尋問という刑事モノのお約束3ヵ条(笑)もあるし、映画というエンターテインメントとは相性が良いんですよね。

そんな主役の刑事、ポパイとクラウディを演じるのがジーン・ハックマンさんとロイ・シャイダーさん。

どうも本作というとハックマンさんの名が真っ先に挙がって終わってしまう傾向があるように思えますが、陰で支えるクラウディ=シャイダーさんもいい味を出してるんだよね。

熱血野郎のポパイの相棒としてクールな部分を担当するわけでなく、ノリとしてはポパイに近い。いかにも安直な凸凹コンビでもないんですよ。

 

とは言え、ポパイの猪突猛進なキャラは映画の主役に向いてますよね。

犯人を追い詰める執拗さは頼り甲斐を感じるものの、時として病的に見える事もあり、誤射をしたところで1ミリも何も気にしないあたりは軽い恐怖すら感じます。

そんなポパイの奮闘の決着は、実話が根底にあるものの、映画としては腑に落ちなくってね…。

 

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↑のBlu-ray版は廉価版なので、映像特典は少なめです。

が、トリビア・トラックという、本編再生中に再生される(?)注釈みたいなものが収録されていて、この情報量が実に濃密。本編再生中にリアルタイムで表示されるので、ヘタな映像特典よりも当てになります。

ジーン・ハックマンさんが自分が演じるポパイを嫌っていたとか、ルソーがなぜ“クラウディ”とあだ名されるのかとかトリビア満載で、これは最後まで見て(or読んで)おきたい!

 

 

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観た、『フレンチ・コネクション』

観た、『フレンチ・コネクション2』