『怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー オリジナルプレミアムドラマ』を観ました。
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ネット配信された2作品を収録。それぞれにメイキング映像もあります。
1編目は『怪盗戦隊ルパンレンジャー+警察戦隊パトレンジャー 究極の変合体!』。
ギャングラー怪人マグーダ・ポーンによる銀行襲撃の場に現れた怪盗戦隊ルパンレンジャー。マグーダが持つルパンコレクションを奪おうとするルパンレンジャー。そこに駆け付けた警察戦隊パトレンジャーも加わり、三つ巴の大混戦に。
その戦闘の中、マグーダの攻撃によりルパンレッドとパトレン1号が貼り付いてしまう。強力な磁力で引き寄せられる二人を離すため、ルパンブルーとルパンイエロー、パトレン2号とパトレン3号がマグーダに挑むが、返り討ちに遭った彼ら4人も磁力により貼り付いてしまい……といったお話。
夏映画『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film』の前日譚とされる作品です。
とは言え、劇場版との関連は大したものではなく、本作を見たからって劇場版に深みが加わる事もありません。
劇場版に登場したエルロック・ショルメは、モチーフにもなっている有名なイギリスの名探偵の頭文字を入れ替えた上でフランス語読みをしたネーミングだったんだという発見があったくらいです。別名、割とどうでもいい情報ね(笑)。
で、お話と言えば、ルパンレッドとパトレン1号がくっついちゃうという、スーパー戦隊あるあるなシチュエーションのコメディ話です。
本作に続く(とされる)劇場版でも二人が一緒にギャングラーの世界に飛ばされるってんだから、時系列的に一難去ってまた一難ですね。
しかしまぁ、何だかんだでこの二人はよくイチャついてるよなぁ…(笑)。
貼り付いてしまった二人のレッドを引き剥がすべく、残りの2+2人が奮闘しますが、こっちまで張り付いてしまうのが予想外の展開。こりゃ、ノエルも仕事をせざるを得ませんね(笑)。
予想外と言えば、まさか生理現象について問題を提起しているのは、お下品描写がタブーとされる昨今においては新鮮に見えてしまいます。
ちびっ子なら絶対にウケるだろうけど、本作を見る過半数はいい歳こいた大人だからねぇ。
ちなみに、とっくにいい歳こいてる俺ッチは声を出して笑いましたがね。だって、小か大かで透真の運命が大きく変わると思ったらさぁ…(笑)。
2編目は『警察戦隊パトレンジャー Feat. 怪盗戦隊ルパンレンジャー もう一人のパトレン2号』。
ギャングラー出現の報せを聞いた警察戦隊パトレンジャーへ現場に急行。そこにいたギャングラー怪人ゾニック・リーを目の当たりにしたパトレン1号=圭一郎は怒りに身を震わせ、冷静を欠いた戦いぶりの挙げ句にゾニックに逃げられてしまう。
パトレン3号であるつかさの後輩である咲也が、なぜパトレン2号なのかという疑問を抱えていたノエルに、つかさは警察戦隊パトレンジャーの結成秘話を、そしてパトレン2号になるはずだった東雲悟[シノノメ・サトル]について語り始める……といったお話。
先のコメディ回とは一転、こちらはパトレンジャー結成前夜を描いたシリアス編。
よく見ればタイトルのビリングも入れ替わっていて、ルパンレンジャー側をフィーチャリング扱いするほどパトレンジャー重視のお話です。
テレビシリーズ=本編では唐突にブッ込んできた悟は、後を引かないもののパトレンジャーにとっては超重要キャラ。
でありながら、本作が8月に配信されてから4か月後に本編に登場しましたが、その間に悟の存在を臭わせといても良かったんじゃないかな?
個人的に本編に影響を与えないのがスピンオフ作品としての節度だと考えているので(これと逆に、スピンオフ作品を見ている事を大前提として本編を作る近頃の仮面ライダーにはイラッ)、悟の本編への登場はあの程度でちょうど良かったのかも。
悟がパトレン2号になるであろう人物である事は分かった。じゃ、咲也が2号に選出された理由って何?という疑問が増えますが、それを語る事なく時間切れというのがモヤッとします。あんなキャラだし、咲也は人格重視で選ばれたんだろうな(笑)。
1編がたった15分ってのがセコいとは思いますが、その15分を無駄なく使っているのはいいですね。オープニング&エンディングだけでなく、ロボ戦がないのは好印象です。
最近のガンダムのテレビシリーズにおいてもガンダムが出ない回が増えたように、スパ戦でもロボ戦がない話を増やしてくんないかな…(そういう意味では『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の序盤は良かった)。
――と、今では立派な商売と化しているネット配信限定作品を観てみたわけですが、まぁ小品だよね。ちょっと予算が増えた『てれびくん』特製DVDって感じ(あれは意外にお金と手間が掛かっているのが垣間見える)。
テレビで放送するにはマニアックになりすぎる=万人(特にちびっ子)に向けられていないという理由で、わざわざお金を払ってでも見るようなコアなファンを相手にする作品を作るのもいいけど、近頃はそればかり。
もう15年くらいかな、毎年恒例だった仮面ライダーの冬映画が今年(もしくは今後)は作られないようだし、となると二次創作に限りなく近いネット配信限定作品で小銭を稼ぐのかと思うとガッカリしますね。
そんな小品を濫造するくらいなら、それらをまとめた予算で90分くらいの映画(&Vシネクスト)作品を1本作ってくれる方がありがたいんだよ。