『帰ってきた手裏剣戦隊ニンニンジャー ニンニンガールズVSボーイズ FINAL WARS』を観ました。
手裏剣戦隊ニンニンジャーが牙鬼家を滅ぼしてから2年。
帰省した天晴[タカハル]たちは牙鬼軍団の生き残りに遭遇。シュリケン変化して迎え討とうとした矢先に現れた風花と霞は超シュリケン忍法で新たな姿に変身し、これらを撃退する。
アイドル忍者“ニンニンガールズ”として活躍していた風花と霞、そして彼女らをプロデュースしたのは、日本に戻ってきた天晴と風花の母、桜子だったのだ。
ニンニンガールズの世界進出を図る桜子は、二人の活動に懐疑的な天晴たちを“ニンニンボーイズ”に仕立てて試合を提案。ガールズ側に二人の助っ人を加え、試合が始まる。
その試合の中、ボーイズ側はことごとく何者かによる妨害を受け、ガールズ側が勝利するが……といったお話。
この頃のスーパー戦隊シリーズには“帰ってきた”シリーズがあり、テレビシリーズ=本編、劇場版、VSシリーズに続く、レギュラーとしては最後の最後という事で、ほとんど余興のような、まぁスポーツで言うところのエキシビションみたいな作品です。
メイキングで矢柴俊博さんも言っていましたが、帰ってきたシリーズは一種のご褒美みたいなもので自由に、肩の力を抜いて伸び伸びとやっているのが見て取れます。
さらに、帰ってきたシリーズは本編と地続きでありながらも、本編ではあり得なかった事をやっちゃうのも魅力。
『~ニンニンジャー』はコメディ要素も色濃いので、このくらいなら本編でやっても許されてたかもね。
本作の見どころはいくつかありますが、それらのほとんどは女子に関するものです。
その最たるものは、風花と霞の新たなニン活(=ニンジャ活動)であるアイドルユニット=ニンニンガールズですかね。晴天をバックにした決めポーズが健全で可愛い!
ニンニンガールズ&ニンニンボーイズと聞いて、『炎神戦隊ゴーオンジャー』の悪夢再来かよとも思いましたが(笑)、ああまで鼻の下を伸ばしたオジサンの暴走企画(多くの主犯は荒川稔久)にまでは至らなかったので胸を撫で下ろしましたよ。
二人のあの格好はあくまでシュリケン忍法による変身形態の一つで、ある意味、これまでシロ&モモニンジャー超絶がなかったカウンターでもあるのかなと。風花超絶はあったけど(笑)。
変身しても素面のままというのが好印象ですが、その代わりに役者の負担は激増です。何しろ、あの形態で殺陣を多々こなさなければならないんですからね、矢野優花さん&山谷花純さんの頑張りには全力拍手を送ります。特に、ゴッツいフォルムのアカニンジャー超絶と華奢な体格のニンニンホワイト=矢野さんとの対決は必見です。
ニンニンガールズと言えば、二人で放つ超シュリケン忍法は威力が強烈すぎる故に、我々の目には文字通り次元を超えて見えるのだろうと解釈。カイザー・インじゃないんですよ(笑)。
3人目のニンニンガールズ、かつ7人目のニンジャとして突如登場した九重ルナ=ミドニンジャーの登場も見どころです。
その正体に関する辻褄は合っているものの、天空に舞う蒼き風のような仕草を見せたり、役以外に関しても多くの他意を含みすぎです(笑)。
スパ戦史上においては、ゲスト扱いながらも女性初のグリーン戦士でもありますが、その2年後にレギュラーとして登場するグリーン戦士の二つ名がシノビスターである点も興味深い…!
風花と霞はずいぶん強くなったようで、オトモ忍=巨大ロボの力も借りずに巨大化した妖怪をブッ倒せるんだから、ニンニンガールズの名は伊達じゃありません。
が、男子4人もずいぶんと修行を積んでいたようです。特に弓張重三が放った弓を手づかみで止めたりね(北斗二指真空把に匹敵する難易度)。
素面アクションも多めで、中でも凪=中村嘉惟人くんのアクションが冴える!
本編ではあまり語られていなかった(と思う)天晴&風花の母、桜子が最初で最後(と思う)の登場。
しかも中山忍さんという絶妙なキャスティング……だったら本編でも出して欲しかったよ!
それはともかく、桜子の登場とは、すなわち伊賀崎家の家族がようやく揃ったという事でもあるんですよね。
『手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャー』では、家族だ絆だとやってましたが(これは出演者の解釈ですが)、家族云々という意味においては本作の方がこれに相応しいと思うんですよ。
ラスト、両親と風花=家族に見送られながら天晴(たち)が旅立つシーンは、『~ニンニンジャー』という作品の一つの終わり方なんだなと感じます。
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Blu-ray版はメイキング等を収録。あの声優さん(たち)の肉声や、クランクアップの様子もありますよ。