観た、『帰ってきた獣電戦隊キョウリュウジャー 100 YEARS AFTER』 | Joon's blog

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『帰ってきた獣電戦隊キョウリュウジャー 100 YEARS AFTER』を観ました。

 

今から100年後の2114年。一見、平和に思えるこの世界に現れたデーボス軍のデーボモンスター、その前に立ちはだかるのは獣電戦隊キョウリュウジャーの6人。

しかし、変身に使う獣電池との相性が悪いだけでなく、本人らのやる気がないのも相まり、デーボモンスターに返り討ちに遭う。

デーボス軍の復活を予期していた賢神キャンデリラは、2014年にデーボス軍と戦っていたキョウリュウジャーの曽孫たちを集結させたものの、非力を負い目に感じる彼らは元の生活に戻ってしまう。

その後、千面神官カオスと3人の戦騎を初めとするデーボス軍が復活。それを機に、戦いから目を背けていたキョウリュウジャーは自分らの使命に目覚め始め……といったお話。

 

『侍戦隊シンケンジャー』より始まった“帰ってきた”シリーズも、いよいよ定番化というか定着してきました。

夏映画やVSシリーズとは趣旨が異なり、“帰ってきた”シリーズは原作(=テレビシリーズ本編)の地盤の上にありながら、どこまで羽目を外せるかに挑戦する、実に意欲的なシリーズだと解釈しています。

「このキャラはそんな事はやらないだろ!」には至らず、「そこまでやるの?」に留めておく節度が絶妙なんですよね。

 

近頃ではハリケンジャーやらアバレンジャーが20 YEARS AFTER作品ができるって事で一部の界隈がザワつきましたが(アスカ・シンとハリケンジャーは生涯現役!)、こっちはそれ以上の100 YEARS AFTERですよ。企画の趣旨が違うけど(笑)。

まぁ、お話の内容だけを見れば、『五星戦隊ダイレンジャー』の最終回を思い出すオジサンも少なくないかな?

 

序盤で集結したキョウリュウジャーはキョウリュウネイビーを初め、シルバー、ブルー、グレー、シアン、バイオレットと、おおよそ寒色系でまとまっていて、デーボモンスターにすら地味だと突っ込まれる始末(笑)。ここでノッさんの曽孫=ノブ太だけをブルーにしておくのが巧い。

それ以外のカラーは本編でもセミレギュラーとして登場していますが、キョウリュウネイビーは夏映画に登場したデスリュウジャーかと思いきや、細かいところでデスリュウジャーとは異なる、密かに本作限定の戦士なので、ちょっとだけ注目です。序盤しか出ないけど。

 

注目と言えば、かつてはデーボス軍の幹部=戦騎の一人だったキャンデリラが、まさかキョウリュウジャーを指導する側の、しかも賢神になっているのは驚きです。

まぁ、原作でも改心→デーボス軍を脱退していたとは言え、割とイージーになれるものなんだなと(笑)。

後の『烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャー』における小さな働き(←泣いたよ…)が報われたんだなと思うと、さらに感慨深い…。

余談ながら、賢神になっても人間態になれる術を忘れていなかった事には最大級の賛辞を送ります(笑)。

 

監督が坂本浩一さんでなかった事は惜しいですが、脚本は三条陸さん。何だかんだで全ての『~キョウリュウジャー』を書き上げちゃってるんだから拍手。

それだけでなく、これは『DRAGON QUEST ダイの大冒険』の時から感じていたんですが、三条さんは過去の出来事を思い返させた上で辻褄を合わせる事に長けている、長期シリーズを得意とする脚本家だと思います。

なので、本作の全てを知りたい人は原作の全話を、割としっかり目に見ないといけませんよ?

ソウジのカノジョ候補の勝山りんをここで登場させるんだ?とか(しかもキチンと成就させている)、「理香婆ちゃんの叔父さん?」とか、レギュラーに関わるキャラを使い捨てゲストで終わらせない作風も真摯です。

大半の人は「…誰?」で終わっちゃうんだろうけど、この辺の出自を知る事で面白味も増すんですよ。

 

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Blu-ray版の映像特典はメイキングのみならず、キャンデリラverの主題歌『VAMOLA!キョウリュウジャー』(のMV?)や、劇中に登場する漫画『らぶbeぼーるタッチダウン』の劇場版予告編等々、ずいぶんマニアックな映像(笑)を収録しています。一見の価値はそこそこアリですよ。