『推しが武道館いってくれたら死ぬ』を観終えました。
ちなみに、実写ドラマ版の話ですよ。
商店街の片隅で7人組の地下アイドル、ChamJamのミニライブを見掛けたえり。その端っこで、健気に踊っている舞菜を見た瞬間、えりの人生は大きく変わった。
古参ファンのくまさ、新参ファンの基らと共にChamJamの地下ライブに通い詰め、物販ではCDを買い漁り、舞菜との握手に全てを捧げるえり。
しかし、メンバー一の地味な舞菜は、えりに対してのみリアクションが薄く……といったお話。
「松村沙友理さん=まちゅが出るなら観てみるかな」程度のモチベーションで観始めましたが、しっかり最終回まで観終えました。それどころか、しっかりハマるくらいに観ました。
まちゅさんの、あのハイテンションな芝居が面白いんですよ。声もしっかり出ていて、なかなかのブッ飛びキャラを好演しています。
この勢いに乗って、早く映画も観たい~。
ひと言で言ってしまえばアイドルオタク=ドルオタのお話です。
何年か前にNHKで『だから私は推しました』という、本作と似たように女性が女性アイドルを推すドラマがありましたが、あちらはもっと暗くシリアスな内容なので…。
それと逆に、本作の良いところ、かつ劇として秀逸なのは対立の要素ががほぼない点。
全ての劇には、どこかしらに人間同士の対立があるものですが、本作にはそれがないんですよ。
登場人物それぞれが夢や幸せを求めてひたむきに頑張り、そのために他人を憎んだり陥れたりする事がないんですよね。登場キャラの全てがハッピーに生きているのがいいんです。
題材としてはずいぶんバカっぽいお話に思えますが(笑)、こういう意味では実に健全な作品なのです。
れお推しのくまささんのキャラがいいですね。
あんな感じの見た目がリアルですが(笑)、それを除けば、実は本作の中で一番の聖人キャラです。
アイドルとの距離感をわきまえた上で応援するだけでなく、ChamJamを応援するなら誰でもウェルカムで、誰かを否定する事もしないという、中身はスゲー紳士なんですよね。演じるジャンボたかおさんの声もいい。
妙な下心がないのを分かっているからこそ、れおもくまささんに対して偏見もなく、100パー本音で話しているんじゃないかな。お互いビジネスと割り切れている良い関係です。
逆に、ビジネスと割り切れていないのが舞菜と基なんでしょうね。
…この辺はリアルなドルオタ、そして実際のアイドルの方々から見れば、現実はそんなもんじゃねぇと思うんでしょうが(笑)、そのどちらにも見習うべき点が多い作品に思えます。
これは説教臭くもありますが、労働意欲の促進というメッセージも含んでいます。
世の中、誰でも好きな事をしたいけど、そのためにはお金が必要だし、だからお金を稼がなければならない。
怪我でバイトができず、積むどころか1枚しかCDを買えないあたりのも生々しいですね。
えりぴよみたいに、ああまでお金の使い道を楽しみにしていれば、つまんねー仕事も頑張れるんだがね…。
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劇中歌『ずっとChamJam』、けっこう好きなんだよね。
アニメ版だかはあるみたいだけど、ドラマ版の配信は見当たらないなぁ。
…そして最後に、本作で最も気になった点を一つ言わせてくれ。
ゴッソリ買ったCD、その後どうするの…?