『アルカトラズからの脱出』を観ました。
モーリスが入所させられたアルカトラズ刑務所――そこはサンフランシスコ湾に浮かぶ孤島に建てられ、厳重な警備と周りを海に囲まれている事から、生きて脱獄した者は未だ皆無。
囚人たちと交流する中、モーリスは3人の同志と共に脱獄を決意。過剰なまでに囚人たちを取り締まる所長や看守の目をかいくぐりながら計画は進み、いよいよ実行する瞬間を迎える……といったお話。
タイトルもズバリ、アルカトラズ刑務所から脱獄する話で、ただ主人公フランクが脱獄に専念するお話です。
刑務所(かつ脱獄)モノに不可欠なドラマと言えば、投獄された主人公の身の上話に始まり、所長や看守のイビリや囚人たちとの確執や交流、性処理に関する相談(笑)等がお約束ですが、これらが入念に描かれる事がほとんどない。モーリスの前科すらあまり語られないんだから潔いですね。
それ故、その程度の内容で112分という尺は長いように思えますが、シンプルながらもハラハラする場面が多く、退屈に感じる=眠くなるシーンはなかったですね。
脱獄モノで気になるのは、事の成否以上に、脱獄できた場合のその後です。指名手配と化されたらどーすんの?と心配する人は、俺ッチ以外にも存在すると思うんですが…。
『ショーシャンクの空に』『大脱走』あたりは、これをキチンと描いた上で感慨深いドラマになっていましたが、本作の場合はもう少し現実的ですね。
欲を言えば、菊の花の出どころを見せてくれれば良かったかな?
モーリスは脱獄に必要な道具の調達を他の囚人たちに頼んだりしますが(主にモーリス視点で話が進むためか、入手経路に関しては何も語られないのが引っ掛かる)、力を借りる以上、共に脱獄を試みたいという囚人の意思は無視できません。
結局、チャーリーとアングリン兄弟を加えた4人で計画を進め、モーリスと同じ事をします。
コンクリートを削って穴を掘ったり、その作業を看守の目から背けるためにカムフラージュするものを作ったりするんですが……4人全員が同じ期日内に、それなり以上のクオリティの物を作るのって難しくないですか? 絶対、脚を引っ張る奴が出てくるシチュエーションですよ(笑)。
けど、所長や看守による立ち入り検査は公平に行われているであろうに、これがバレずにいられたんだから、皆さん、ずいぶん美術の成績が良かったんでしょうね…。
モーリスを演じるのはクリント・イーストウッドさん。
今回の脱獄は本作の数年前、はみ出し刑事役として訪れた事も参考になっているかもしれませんね(笑)。
そしてイーストウッドさん以上に、個人的に注目したいのは、所長を演じたパトリック・マクグーハンさんの出演。
マクグーハンさんと言えば、
*****************
*****************
一択ですよね。
これにおける№6の印象が強すぎるので、本作での、捕らえて逃がさない側のキャラを演じるのが面白いですね。もっと出番があっても良かったんだけどな~…。
*****************
*****************
*****************
Blu-ray版は映像特典どころか吹替版もない、ド最低限仕様です。不可要素が何もない商品なら、↑↑の配信版で間に合わせる方が、むしろ良いんじゃないかな?
小山田宗徳さんがマクグーハンさんの吹き替えを担当するという夢を見ていましたが、実現はかなわなかったようです…。