『シューテム・アップ』を観ました。
ある夜、街中で妊婦が男に襲われているのを救ったスミス。
しかし男は1人だけではなく、次々にやって来る仲間との銃撃戦を繰り広げる中、女が産気付き、その場で出産を手伝うスミス。
どうにか敵から逃れたものの、生まれた赤子を残し、女は息絶えてしまう。
知り合いの娼婦キンタナに赤子を預けようとするも、先の連中の親分であるハーツが狙っているのは、この赤子のようなのだ。
共に狙われるようになった赤子=オリバーとキンタナを連れながら、スミスの反撃が始まる!といったお話。
ストーリーもあるにはあるけど、ガンアクションに重きを置いた作品。
これがやりすぎというか、失笑を通り過ぎて、もはや痛快です。
銃とは、“引き金に指を掛け、相手に向けて撃つ”ものだとされていますが、そんな固定概念をいつまでも抱いていると取り残されてしまいますよ(笑)。
銃というアイテムの使い方に、ここまで多様性があったとは!と思い知らせてくれる作品です。
赤ん坊のヘソの尾を銃で断ち切ったり、惚れた女に使ったり(これはロマンチック!)、銃をお題にしたモノボケに通じるところがありますね(笑)。
銃をバンバン撃つって事で、暴力描写は確実にあります。大量に血も出るし、人も大勢死にます。
…が、本作のそれに関しては漫画のように荒唐無稽、要はくだらないという言葉が適切です(笑)。ニンジンを口に咥えさせた相手をパンチする冒頭のシーンが、本作の方向性を示唆しています。
もちろん、劇中のキャラたちにとってはド真剣ですが、ほとんどドタバタコメディと紙一重で、「そんなバカな」の連続ですよ。
それでいて、随所に見せるシチュエーションが斬新! 銃撃戦の真っ最中における出産シーンなんて、誰が想像できます(笑)?
不謹慎だとか子供に良くないとか喚きたてるババァも多いですが、本作のそれに関して、クソ真面目に討論しようとする事自体が不毛の極みです。だからって、子供を誘って観ようという親はバカ確定ですが…。
あくまで推測の範疇で語られるだけで、スミスの正体を明確に描かないの作風も粋ですね。そもそもスミスという名前すら、本名なのかどうか。
銃の腕前のみならず、水に浸かった銃を手早くバラして組み立てられるあたり、かなり専門的な訓練を受けていた過去を想像できますが、観客の想像に任せて曖昧にするあたりは映画的で好きです。
人格に関してはかなり難アリで、やや歪んだ正義感の持ち主。車からのポイ捨てをするような奴を見逃せないあたりとかね。
そもそも、決して赤子=オリバーを見捨てるような事はしないだけでも、ただ冷酷な殺し屋というキャラではない事が分かります。
常にイラついているヘソ曲がりな男ではあるけど、実は義理深さをも持ち合わせているおかげで、どこか親しみを持てるキャラになっていると思います。
緊張感や緊迫感のある、常に何者かに狙われているようなシチュエーションの中、巡り合った男女の呑気なロマンス、特に濡れ場なんて必要か?と常々思っている俺ッチですが、本作にもあったのが残念でした。
…と思いきや、本作の場合は、これが現実だよねと思わせるようなシーンになっているので、まぁ許せる範囲。大マジなはずなんだけど笑ってしまいました。
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そんなソフトは多々あるはずだけど、圧倒的に5.1chが多い中、Blu-ray版の音声は7.1ch対応。
特に銃撃戦のシーンでは四方より音が聞こえて、なかなかの臨場感。
ただ……ぶっちゃけ、リアからはあまり聞こえてなかったような(感じに思えているだけかもしれない)?