『アサシン/暗・殺・者』を観ました。
麻薬常習者のマギーは殺人の罪で死刑を宣告される。
しかし、政府のとある組織がマギーに目を付け、組織のために働くか死刑を執行されるかの2択を迫る。
生きる道を選んだマギーは、それまでの粗暴な態度を改めさせられ、暗殺者としての教育を施される。
辛くも卒業試験にも合格したマギーは、クローディアとして生活するようになり、J.Pという恋人もできた。
幸せな生活と組織より与えられる非情な任務との間で迷うマギーは……といったお話。
フランスの『ニキータ』をハリウッドでリメイクした作品です。監督はリュック・ベッソンさん。
この設定を『スケバン刑事』のパクりだとかくっだらねー事は言わないけど、この人は(日本の)漫画原作者くらいが性に合ってるんじゃないかなと。オリジナル映画としては幼稚な設定が多くなってきたなと感じるので…。
『フィフス・エレメント』あたりでそう思い、『TAXi』で見切りを付けました(とか言いつつ『~③』まで観てしまっている…)。
そんな『ニキータ』のリメイクゆえ、比較されてしまうのは宿命。かつ、後出し作品ほど貶されがちですよね。
俺ッチは『ニキータ』は未見ですが、ニキータを演じるアンヌ・パリローさんは逞しいイメージなのかな? それと比べると同じ役を演じるブリジット・フォンダさんはずいぶんと華奢で、可愛らしさの方が強いです。
公開当時、あんな細っせー腕であれだけデカい銃なんか撃てるワケねぇだろ!とか言われていましたが、分かってないよね……そこが良いんだろう!
ジャンキー時代のマギーは粗野な性格でしたが、己の命が懸かっているとなれば、教育する側共々必死で、カタギに見えるレディに仕立てられます。それどころかメチャ可愛いです(ブリジットさん本来の姿になるというか)。
その上、人の情けにも目覚めたものだから、心まで乙女になっちゃうし(笑)。
J.Pとの仲が深くなるほど、マギーの心に愛という感情が生まれてしまったが故に、人を殺すという稼業にためらいを感じ始めます。
旅行先での、マギーが浴室から狙撃をしようとする際に、ドア越しにJ.Pからのプロポーズの言葉を聞きながらも任務を果たそうとするシーンは本作を象徴するシーンですね。
組織には、掃除人という任務失敗の際の片付け役がいますが、『ニキータ』においてのそれを演じるのはジャン・レノさん。この役の延長線上にあるのが、『レオン』のレオンであるのは、まぁまぁ有名な話。
そんな掃除人、本作で演じるのはハーヴェイ・カイテルさん。もうそれだけでアブないキャラを想像しがちだけど、まさにその通りで、一切の情や慈悲を感じさせず、淡々と目的を遂行するのが怖いです。この人は、こういう役がハマる!
監督はジョン・バダムさん。
A級の大傑作を作るヒットメーカーってわけではないけど、とりあえず観てみたら面白かったと思わせる作品が多い、ハズレの少ない監督だと思います。
個人的には『ブルーサンダー』が一番好きっ。
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映像特典は予告編オンリーという、事務的にリリースされたような商品です。
吹き替え音声があるのでギリギリセーフかな? 安いし。