その昔、70巻近くまで揃えていたのに、この発想には付いて行けないという理由でスパッと読むのを止めた友人がいたんですよ(ちなみにWindowsとMacの話)。
作者の我が強いというか、主観的なメッセージを、しかも強めに士郎さんに言わせすぎちゃうんだよね。
得てして、作劇には作者が言わんとしているテーマやメッセージが含まれますが、それが普遍的でなかったり偏っていたりするほど、共感は得られにくいものです。
共感できなければ支持はしない、つまりヒットには繋がらないどころか、吊し上げられる事だってあり得ます。
今回の“原発(特に東北方面)に関する真実”というだけで、物議を醸す予兆すら感じます。
今後、騒ぎが大きくなる可能性が高いように思えますが、その際は全ての責任を原作者=雁屋哲さんばかりが背負う気配を感じるんだよね。
確かに発案したのは雁屋さんでしょうが、掲載にGOサインを出したのは出版社=小学館。
作家と編集の打ち合わせは確実にあっただろうし、こんなデリケートな問題を扱うのであれば相当な覚悟が必要である事も分かっているはずです。
ならば一蓮托生&連帯責任、どちらかに責任をなすりつけるような見苦しい泥仕合が展開されなければいいんですがね。
ぶっちゃけてしまえば、明るみに出ると都合が悪い真実なんてものはゴマンとあります。
綺麗事だけでは世の中は回らないから。
それを世に知らしめるのはドン・キホーテ的でもありますが、実に勇敢な行動だと思います。
常に仮想敵を求めるネット住民には、そんな行動は評価されないでしょうが…。
余談ながら、気になる事がもう一つ。
今回の件で、今後の『美味しんぼ』を注視する人が増えると思いますが、続きが気になる人は立ち読みじゃなくて、キチンと買って読めよ!