ボトムズをより深く愛するために ~その1~ ブレードランナー | ボトキチブログ

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シーザーを理解するのにシーザーである必要はない。

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我々もまたボトムズをより深く理解するのにボトムズの関連書籍、高橋監督の他作品を追うばかりでなく、監督の言及するボトムズに影響を与えた作品について触手を伸ばしてみるのもまた一興であろう。

「ボトムズをより深く愛するために 」という恥ずかしいタイトルでお送りする第1回の今回は1982年劇場映画ブレードランナーについて触れてみたいと思う。

題材選抜理由は昨日久しぶりに見たからで他に理由はないのであしからず。

ボトムズのウド編を語る際、今は然程でもないかもしれないが放映当時はよくブレランの(ブレードランナーの略)パクリだ、パクリだと言われたもので(間違ってはいないのだが)それで不快な想いをしたことが少なからずある。
もちろんそれは私のまわりの発言だけでなくアニメ誌などでもあり、一番腹を立てたのが今でも覚えている、小林誠の発言で確かあれはホービージャパンの1/60キットをHJ誌の各ライターが競作という形でそれぞれ製作した記事内で氏はボトムズ特集に参加しているにも関わらず「ボトムズはパクリばっかで鼻につく」とコメントして、あまつさえスコープドックのキットを使い、全く関係のない立体物に仕上げてたことだ。

てめえはナニサマかと!

当時の氏は末端肥大なガ●ダムのイラストや立体物を手がけ画風もメビウスのモロマネで・・・いわばパクリの総合商社状態だった。
自分のことを棚にあげてその発言はなんだと!!
本を読みながら怒り心頭したことを今でも昨日のように思い起こすことができる。

・・・・・俺も若かったな(笑

話がずれたので戻そう。
まさかウチのブログを見に来ている人で未見の方はいらっしゃらないとは思うがまずは軽く「ブレードランナー」という作品を紹介しておこう。

ストーリーは逃げ出した宇宙採掘船から逃亡し地球に戻ってきた殺人レプリカント(アンドロイド)を元ブレードランナー特捜班のハリソンフォード扮する探偵のデッカードが抹殺するべく探査、追跡するといったサスペンス仕立てになっている。

今では当たり前のように使われているサイバーパンクという言葉を生み出したSF映画の名作中の名作であり、ボトムズは言うに及ばず今でもその世界感をパクられ続けられている。
近年なら押井守監督の劇場映画「イノセンス」の都市デザインがそれに当たるやもしれない。(もともと原作がサイバーパンクだしね)

①退廃した未来のロサンゼルスのビジュアルも今見てもなお斬新でオシャレである。
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②デッカード刑事(ハリソン・フォード)
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③レプリカントのレイチェル(ショーン・ヤング)う・・・美しいwwww
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④デッカードブラスター
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さて今上に表示した画像を見てもらいたい。
「ブレードランナー」を語るにはもっと色々なキャプ画を用意しなくてはならないがボトムズとの関連性を語る上ではこの4,5枚で十分だろう。
まず①の2枚はウドの街
②はキリコ
③はフィアナ(もうちょっとフィァナっぽいキャプにすれば良かったが・・・個人的好みでw)
④はアーマーマグナム

今私が表示したキャプ画とボトムズの関係(デザイン等)はただの当てずっぽうだが当たらずとも遠からずであろう。
もちろんこじつけようと思えばまだまだだせるが趣旨が変わってしまうので留めておく。
誤解をして欲しくないのは「ココとココパクってんだぜ、知ってた?」といった知識をひけらかしたいわけじゃなくあくまで関連性を検証したいだけである。

こういった2次使用に関して監督は
「~スタッフ説明のためにどんどん使いましたよ。『こんな感じなの』って。結局、それはエピソードを取り入れるというより、その時代のムードをだすためのものなんです」(OUT増刊号ボトムズオデッセイ ボトムズ座談会より抜粋)
というように語っている。
つまりは今ではファンなら周知の事実と思うが、監督は投げっぱなしでそのメッセージを受け取ったスタッフが監督の言葉をどう料理したか、という仕事ぶりが作品に影響を与えているわけである。

実際に映画を見てもらえばわかることなんだがウドの猥雑な雰囲気以外ブレードランナーとかぶるとこはほぼない。
確かにキリコの髪型や使用する銃が似てたりモチーフとしてフィアナとレイチェルがなんとなく似てるかなとは思うがそれ以上でも以下でもない。
ちなみにデッカードはブレードランナーとしてベテランではあるが他はさえない中年そのもので肉弾戦となるとからっきしで常に鼻血がでるまで殴られてる。
格好よさで言えば断然ルトガーハウアーの方が格好よい。
んでもって「Say KIss Me」・・な!何度まねしたことか(笑
レイチェル可愛いよ、可愛いよレイチェル!!

余談だがファンとして私も一応読んだがフィリップ・K・ディック原作の「アンドロイドは電気羊の夢をみるか」を読んでも読んでなくても作品を理解するのに全然影響はございません。
てか監督のリドリースコット自体読んでないらしい(笑

現在はパーフェクトBOXとCDが発売されているので色々なヴァージョンのブレランと音楽が楽しめるぞゾ!

ま、これ以上映画について詳しく知りたい方はWikipediaで検索していただくとして

ブレランとボトムズの関連をダラダラと述べたが当時のアニメ事情というのも少しは語っておかないと手落ちかもしれない。
はっきりいって当時のアニメなんぞ映画の、とりわけハリウッドの、パクリだらけである。
あのガンダムでさえビームサーベルはスターウォーズのライトセイバーのパクリである。
このスターウォーズのパクリは実は前作ダイターン3から始まっている。
スタッフに「スターウォーズすごいよ」と言われ俺は絶対みないと言ってたトミノ監督だがドンハウザーがいきなりダースベーダーみたいな呼吸音になってたりw
スターウォーズの影響もものすごく、あらゆるSFアニメがマネしている。
宇宙戦艦ヤマトはいきなりワープの仕方がSW風になるし、戦闘機は溝があればそこを滑空する(笑
もともとジャパニメーション創始者の神様手塚治がそもそもウォルト・ディズニーに影響をうけている。
ウォルト・ディズニーじゃないにしろディズニーがジャングル大帝をパクった時手塚プロが黙認した時は腹が立つより爽快だったのではないかと推察する。
「やったぜ!本家が真似したよ!」てね。
エイリアンのギーガーの世界観やら枚挙を挙げればきりがない。
当時は「あのアニメの●●はこの映画のパクりだよ」と見つける楽しみがあり、それはSFアニメファンのたしなみの一つであった、としても良いだろう。多くのアニメファンはそれを(パクリを)肯定的に受け止めていたと思う。
それはアニメの表現の進化を意味していたのだ。(と思われていた)
「やっとアニメでもこういう表現ができるようになったんだ」
といったものではなかったか?

今現在CGを多用するようになり当時とは圧倒的に表現力に格段の差があるがそれでも今なお「古いなぁ」「画像バラつき過ぎ」といいながらついつい昔のアニメを見てしまうのは決して己が懐古趣味故だけではないだろう。
作品を楽しむ以外にそういった楽しみがあったのだ。
けどちょっとこれ書いててCGばっちりのサイバーパンクなウドとかも見てみたいかも、と思ったりw

最後にそのブレードランナーですらデッカードブラスターはマッドマックスの主人公の銃をモチーフにしている(らしい)ことを付け加えておこう

押井守ではないが今の時代もはやオリジナルなどどこにも存在しないのかもしれない。