サッカーアテネ五輪日本代表監督 山本昌邦氏の講演 | 想像と創造を膨らませるビジネスチューインガム

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10月23日、帝国ホテルで行われたクローズド・セミナーに行ってきました。

講演者は山本昌邦氏。アテネ五輪のサッカー日本代表監督です。トルシエジャパンの時も参謀として日本代表に関わってこられた方で、この日はその時のことも踏まえたコーチングや一流アスリートについての話が中心でした。

日本代表のビデオなども挟んだ約2時間の講演でしたが、興味深い話が続き、あっという間に時間は過ぎました。

まず、一流アスリートには3つの共通点がある、という話。

その3つとは、

1、負けず嫌い

2、気づきがある(=人の話を聞くことができる)

3、目標が高い

だと山本氏は言います。

特に目標が高いということが非常に重要で、壁があったときに目標が高い選手はその壁を壁と思わずに乗り越えていくことが出来る。

それは目標としている壁が高いから、その手前にある壁を高いと思うことがない。

目標が低い選手にとってはその向こうの壁がないから、その壁で立ち往生する。そんな感じでした。


この目標が高い話の逸話として、中田英寿選手のことが紹介されていました。

彼がワールドユースに出場していたとき、山本氏も帯同していたのですが、その合宿でのこと。

その時中田選手は15歳だったそうですが、食事が終わった自由時間、ソファーで本を読んでいたとのこと。

その時山本氏が「何を読んでいるんだ」というと、中田選手は

「イタリア語の勉強をしています」

と答えたそうです。「何でイタリア語の勉強をしているんだ?」と聞くと、

「僕、セリエでプレーするんで」

中田選手の中では15歳の時、すでにイタリアでプレーする自分がイメージできていたという話です。


そして指導者としての話も気づきがありました。

指導者の仕事は教えることではない。気づかせることだ。

というものです。

気づいて自分でやろうとしないものは成長しない。一流にはなれない。これが山本氏の持論でした。

これについては僕も同感といいますか、うまく気づかせることが出来ているかどうかは別として、自発的に動こうとするものに対してのサジェスチョンだけを出すようにしています。時々それがわからない人が、余計なヘルプをしたり、不親切だといわれたりすることもありますが・・・。

そして「才能をほめるな、努力した過程をほめろ」というのも、ありました。ほめるというのは私も不得意で、なかなか出来ていないのですが、確かにと頷くところでした。

そして指導者が部下と対峙したときの3か条は

1、聞いてやる

2、質問する

3、スキンシップ

ということでした。最後のスキンシップは同性だといいですが、まあ意味合いとしては励ますに近いものでしょうか。

ただ言葉よりはちょっと肩に手をやる、などのことだと思います。会社員ではなかなか難しいのでは、と思いますが、スポーツの世界では良く見られる光景なので、うまく取り入れていけば効果的なんでしょうね。

サッカーで第一線のところで、一流アスリートや指導者を見てきた人の言葉はやはり重みがありました。取り入れられるところは明日から早速、というところです。

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