サクラ狂騒曲 なぜサクラとつけば売れるのか? | 想像と創造を膨らませるビジネスチューインガム

想像と創造を膨らませるビジネスチューインガム

ビジネス、ランニング、とにかく取り組んでいること、何かの糧になる?ことについて書き綴っています。多少の個人的な見解と偏見はご了承ください!

本日は近くの公園にお花見にいってきました。春になるとやはり桜の木の下で佇むと気持ちが和みます。



想像と創造を膨らませるビジネスチューインガム-サクラ

日ごろは花の写真など撮らない僕もこうして一枚残してしまいますのでやはりサクラという花は日本人にとって特別な何かをもたらすのでしょう。


それにしても昨今はサクラに関する歌、というかタイトルに桜とつく歌が非常に増えました。この五年ぐらいは春になるとずっと桜と名のつく歌がリリースされ、そしてヒットしているように思います。今年もレミオロメンの「sakura」やファンキーモンキーベイビーズの「桜」がヒットしていますし、これまでにもケツメイシ、コブクロ、森山直太朗、河口恭吾などが表記は別にして「サクラ」というタイトルの曲を出し、そのものずばりのタイトルではありませんが

いきものがかりは「花は桜 君はうつくし」という曲をヒットさせていて、これらの曲は春になると何度もオンエアされ、クリスマスソングのように季節の定番曲になっています。


以前はどちらかといえば桜という題材は少なかったと思いますし、春といえば卒業といった感じでそちら関連の歌の方が多かったと思いますが、1990年ごろから徐々にその傾向はなくなり、2000年に入ってからは確実に春そのものの象徴である「桜」を題材に取り扱うことが多くなってきていて、福山雅治の「桜坂」や宇多田ヒカルの「SAKURA DROPS」もそのころに出始めた曲です


音楽の世界はファッションほど流行に左右されるものではないと思いますが、娯楽の中ではやはりブームみたいなものが存在する世界なのでこの流れは何か重要なヒントをもたらしてくれている気がしていて、今年もまだ桜ブームが継続していることを考えるとそこに視線を合わせたマーケティングは意味のあることなのではないか、と思っています。


分析をしてしまうと、音楽を聴く世代は確かに若い世代なんだけれども、1980年代ぐらいまでのように音楽を聴くのは学生だといえるようではなくなってきていて、どちらかというと30代ぐらいまでのヤンガージェネレーションによってのCDやダウンロードなどの売上で音楽業界は成り立っているような部分があって、ここにターゲットをあわせた音楽をつくらなくてはならなくなっています。ここの世代というのはリアルなものだけではなくて、インターネットというサイバネティックな情報をも共有しはじめた初めての世代といえると思います。


実はこうした世代にとっては情報が多すぎる反面、なくしてしまうものも多い、というか、情報の取捨選択だけで時間も心も使ってしまっていて、リアルなものとの距離が出てきているのかも知れません。やや偏見の域に入っているような気もしますが、実態としてこれはあるな、と。


そうはいっても、美しいものは美しく感じたいというのは当たり前のことながら、そうした音楽を聴く世代にもあるわけで、言葉の響き、印象だけでその美しさに近づけるということを実感するにはそこに直接的なメッセージ、つまり「桜」という言葉をもってくるというのが、言葉は少し悪いですが、手っ取り早い方法だったのかな、と思いますし、実際、ヒットにつながっていることで成功を見たと思います。


もちろん「桜」とつけば絶対に売れるというわけでもないでしょうし、やはりそこは「桜」のイメージにあう楽曲や詩である必要はあると思いますが、タイトルに「桜」とあるだけで、イメージの半分以上を手だすけしてくれる部分があり、想像力をあまり要しないところがありますので、クリスマスソング同様、それだけで売れてしまう傾向にあるんでしょう。


想像力を働かせるというのは大事だと思いますが、そこの部分を教育するのはマーケティングの仕事ではないのでできるだけ想像力のサポートをするような働きかけを行っていくことがマーケティング上、有益なことにつながっていくのではないか、と思います。