今年から裁判員制度が実施されます。実際自分が選ばれないと詳細はよくわかりませんが、この裁判員制度では裁判官とともに判決を下すということで、裁判官と同等の権利を持ち合わせているとことのようです。
昔から何度か見ている映画に非常に面白いものがあります。もしかしたら裁判員制度の参考になるかも知れないものです。
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- 中原俊監督、三谷幸喜脚本の作品です。この映画が三谷作品だと気づいたのはずいぶん経ってからですが、思えば確かに三谷幸喜です。三谷作品が好きな自分ですが、この作品が気に入ったのもそういう要因があったのかも知れません。
- これは裁判員制度を描いたものではありません。アメリカにある陪審員制度が日本でも行われているということに基づいて作られた作品です(裁判員制度と陪審員制度は根本的には違います)。タイトルからもわかるようにこれは「12人の怒れる男たち」へのオマージュ作品といえます。そしてストーリーこそ違いますが、話の流れ方、クライマックス、ともに「12人の怒れる男たち」への畏敬の念が表れています。
- 話は映画を見てもらうとして、塩見三省とか豊川悦司、上田耕一などいい味出している役者が結構でています。そしてその役者たちが12人(守衛・ピザの配達人を入れて14人)だけ登場して最初から最後まで評決を出すための部屋での話を行います。
その話のやりとりがもう信じられないぐらい完璧に流れています。正直なところ、他の三谷作品も好きなものが多いですが、この作品に敵うものはないんじゃないでしょうか。
先日監督作品でもある「マジックアワー」もみましたが、この作品には到底かないません。あの作品も三谷幸喜が敬愛するビリー・ワイルダーを彷彿とさせる面白いものでしたが、キャストの豪華さが逆にストーリー展開よりも目立ってしまっている気もしました。
それが「12人の優しい日本人」にはないです。確かに当時無名な人ばかりではないですが、かなり自然な演技でストーリーに没頭していきます。最後の最後まで見逃せません。
最後の方で陪審員の一人である加藤善博が言う台詞にこういうものがあります。
「信念って何ですか?人の意見を聞かないってこと?結局君は話し合いをしたいんじゃない。意見を押し付けたいだけなんだ」
この台詞を聞くといつも、はっとさせられます。僕としてはこの台詞だけで三谷幸喜に拍手したいところです。