読書6「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 | Happyと思えばHappy

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「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
村上春樹
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昨夜読み終えましたが、どうやらやはり私の好みではなかった。

好きな方もいらっしゃるかと思いますが、この本は同感出来ずすみません。

海外の村上ファンの方は、私が読む前に、幾つか読んだ中でこれが一番良かったと勧めてくれましたので、感想を求められたらどうしようかとヒヤヒヤ。。

なんせ、私の中で圧倒的にワースト入りとなったので。

それは個人的に恋愛系が好きじゃないという依然の問題のような気がします。

毎回毎回同じような主人公になるので内容に強いものがないと、好きで読んでるいつも出てくる部分(それは本来であれば本の中で5分の1も占めないようなもの)を1冊に引き伸ばされた感じとも言うのでしょうか。

流石に、「またこれか」「分かった分かった」と言う意見もちらほら見かけました。


内容はネタバレになりますが、学生時代に仲の良かったグループから主人公がある時突如理由も告げられずに仲間はずれにされる話です。

進路を考え一人だけ東京の大学を選んだので名古屋から東京に引越し、大学に入ってからも、定期的に名古屋に帰ってみんなで集まっていたのに、突如切られる。
その後彼らがどうなったか分からないまま、大人になり、16年経って、その時に付き合っていた彼女に、彼らを見つけて会うべきだと言われる。

Facebookなどで今彼らがどこにいて、何をしてるか調べて、あの時、なぜ理由も告げられずに仲間はずれにされなければなかったのがを聞いて回る。

思い当たる事が全くなかった主人公は当時、完全に病み、半年間死ぬことだけを考え、死に切れないまま大人になる。
記憶を闇に葬り、誰も信じる事が出来ず、自分にも自身を持つ事ができないまま。

しかし、いざ会ってみると、全員が口を揃えて、「お前はやってないって分かってた。そんな事をやる人間だとは思っていなかった。でも、あの時はその(ある一人の)主張を受け入れなければならない状態だった。だから、一人だけ他県に出たお前を切る選択しかなかった。」と言います。

何でしょう。
この複雑な気持ち。
死ぬことまで考え、外見がパッと見誰だか分からなくなるくらい(変わるまで)悩んだのに、濡れ衣を着せられただけだった。
しかも、みんな分かっていながらも間違った主張を信じ、自分を切り捨てた。

一言そう言ってくれたら、暗黒の16年間は少なからずまだ少し明るかっただろうと思う。

そして、そんなつくるに、
「お前はみんなの憧れだった。」
「お前ならこの試練を乗り切れると思った。」
「私はあなたの事が好きだった。」
最後の特に要らない一言。

そんな強い人間いるのか?って思うし、自分がそうされたらどうなのか?って思う。

でも、やはりここで村上春樹の主人公は毎度の如く、どのようなかたちでかは多々あるにせよ受け止める訳です。

そこにも若干おいおい。って思う
けど。

唯一面白かったのは灰田のお父さんの体験談。結果的に灰田自身の話で、それが彼が消えた理由だったら少し面白いなとは思ってる。



確か、この本が出た時期って、いじめ問題が日本で目立っていた時でしたっけ。
自殺者が何人も出て、学校側が隠ぺいするとか。

それにFacebookなどが出てきたり、現代社会にある作品だなーと思った。

現実から逃れる為に本を読みたいのに(少なくとも私は)、こんな現代的な話だから好きじゃなかったのだと思う。
だから、決してこの本がつまらないとかではなくて。
ただ、合わなかった。

だから、村上本で言うと、ファンタジックでエキセントリックな物を好む私は「世界の終わり~」や「カフカ」が好きなので、きっとこちらが苦手な人はこちらをつまらないと思うのかなぁ~と思う。


村上本は何度も読みたくなるけど、「多崎つくる」はもう読まないと思う。

書き留めておきたいところの付箋も今回はたった3枚だったな。

以上!