読書と、現代詩・小説創作、猫を愛する人たちへ送る。(32分の1の毎日の努力を綴る) -32ページ目

読書と、現代詩・小説創作、猫を愛する人たちへ送る。(32分の1の毎日の努力を綴る)

文学創作と大学通信等を書いています。【やりたい夢(小説家)がある1/2→夢を叶える努力をする1/4→完成作を応募(挑戦)する1/8→落選する1/16→落選しても諦めず・また努力・挑戦する1/32】(=日々、この1/32の努力を綴るブログです。笑)

さて、今日は、またいつもの小説創作の話題。

 

これは前に、このブログでも紹介したんですが、その時はチラ見程度だったのが、

やっと、半分近く読めました。

(おい、まだ半分かよ)

 

三浦しおんさんの『マナーはいらない』(集英社)

 

 

僕は単行本で買ったのですが、’20年刊行なのに、もう文庫化されていますね。

この本、今まで読んだ、小説創作本の中で、一番、腑に落ちるものでした。

いわゆる、文章読本は、谷崎潤一郎のものとか文豪が書いたものから、高校生の時に読んで、

「へぇー、凄い」と感心はしたものの、全然参考にならないと思ったものでした。

が、それらとは全然、違います。

 

しおんさんの本では、書けないポイントを指摘しつつ、書けない壁を変えるポイントへの巧みな誘導がある。

もしくは、書けないポイントからの脱却には、どう考えたらいいかを、懇切丁寧に教えてくれる本でした。

 

今の僕のレベルにはぴったりです。

 

 

 

文豪の文章読本は、どこが、どう違うかというと、その手の文章読本は、作家が自作の宣伝を兼ねての、自慢話になりがちで、

プロ級に書ける人向けな気がします。

また、文章表現そのものについて語っているだけで、長編と短編の違いとかを無意識的に抜かしている気がしています。

 

一方、前にこれも書いた鈴木輝一郎さんのマニュアル本も、ある意味で、長編小説を書く際の、注意事項や道案内としては参考になるけれど、

まるでレシピを並べただけのもので、それで、美味しい料理はできない。

 

肝心の「美味しさの秘訣」や「不味い料理からの脱却法」は、スポッと抜けているんですね。

 

 

おそらく、発想やら文章表現についてのベスト・オブ・ベストは、以下の本です。

 

 

ただ、この本も適切に読まないといけませんが。

 

この本は、大昔、僕が京都芸術大学の文芸コースの課題図書だったので、全編詳しく解析しております。

僕が詩や短編小説なら、今、すっと書けるのは、ある意味、この本での訓練のおかげだ、と言えなくもないです。

 

でも、この本はあくまでも、文章表現の基礎なので、長編小説には不向きです。

 

以下、最も感動した、三浦しおん『マナーはいらない』の一節、214-215ページです。

 

「大事なのはやはり細部で、(略)語り口や文章がどういう味わいなのか、などではないでしょうか。

 『がんばれ! ベアーズ』と『シン・ゴジラ』は傑作かつ同じ構造(「弱小チームががんばって目標を達成できるのか否か」)を持っていると私は思いますが、(略)

 作品の個性や美点は細部にこそ宿るのです。」  

 

この一文を読んで、僕はハッとしました。

自分が無意識に、「新奇なストーリー」「オリジナリティ神話」に呪縛されており、これこそが【ストーリー展開の呪縛】だよなあ、

と改めて実感したからです。

 

物語に基本のストーリー構造があることは、僕自身も嫌というほど知っています。

ウラジミール・プロップの『昔話の形態学』ですね。

 

もう何十年も前から知って、本を持っております。

 

しかし、その形態を知って解析はできても、全然、小説へ転用できませんから。笑

たぶん、文章を書く思考というのは、身体性を伴う感覚的なものだから、「知識」だけでは体現化できないんですよね。

 

今回の、三浦しおんさんは、この本は、たくさんのエピソードで、その「身体感覚」を言祝ぎつつ、教えてくれる名著のように感じます。

また、完全に読み終えたら、続報を書きますね。