小川未明文学賞120枚ですが、
現状、85枚の完結作はありますから、
とりあえず改稿出来ることを、〆切のぎりぎりまでやるつもりでいます。
昨日、手に入れた新たな目で読み直した、この85枚は全然、ダメだと感じました。
根本的にやり直そうとすれば、完全、書き直ししかない、と思い知っております。
ファンタジーなんですが、単に記号としての異界や魔法的なものがあるだけだな、と。
センス・オブ・ワンダーが感じられない。
今、単に悩んでいるんじゃなくて、たくさんの凡を読み直しながら、沈思黙考しています。
この、日本児童文学協会のアンソロジー・シリーズ、ここにない1冊を手に入れて、熟読したのですが、
その本だけ、全然、心に響かない作品群でした。
(おいおい)
ところが、ほかの、この3冊は面白い。
特に印象的な作品を順に挙げていく。
『さらに、物語は迷いこむ』では、内田麟太郎「怪盗こころどろぼう」。
はちゃめちゃだけど、なぜか納得させられる。そして、しんみりさせられる。
内田さんの絵本、何冊か読んだことがあるけど、こんなにしんみりしたことはなかった。
脱帽しました。
『やがて、物語は逆転する』では、廣嶋玲子「冷蔵庫をあけてはいけません」。
廣嶋さんの作品は何冊も読んでいるけど、エンタメ系の技がうますぎて、真似できないまま。
本作は、そんな馬鹿なと思いつつ、とても楽しめました。
これだけのアイデアで、ここまで楽しませるんだ、とこれも脱帽。
『やがて、物語は逆転する』では、純文学作家の三田誠広「転校生」。
あるあるの転校生ストーリーに、現代の学校カーストをモチーフした作品。
何気ない話であり、ありきたりの設定なのに、不思議にしんみりさせられて、ラストが心に残る。
どれもこれも、面白くて、確か、図書館の本で流し読みしたはずなんだけど、
(実は、今回も図書館本ですが、笑。
でも、じっくり読みました。そして、どれも中古本を注文してしまいました)
全然、わかってなかった。
たぶん、ストーリーを追うので必死だぅたんですね。
改めて、児童文学の素晴らしさを感じました。
たぶん、大人にとっては、児童文学って、ジャンルそのものがファンタジーなんですね。
ちょうど時代小説が、江戸というファンタジー世界の物語であるように、
子ども時代というファンタジー世界なんだな、と感じました。
現実にはあり得ないことが起きても違和感がない。
やってもやっても、進歩しない徒労感に挫折しそうになる時もありますが、
この素敵な世界に参画できる幸せを神さまに感謝しつつ、頑張ろうと今、思っております。