前に、ここで紹介した名取さんの短編小説集『おかえり一万回』を、詳しく分析読解しています。
どの短編をよんでも、
凄い! としか言いようがない。
目頭が熱くなって、ジーンときます。
Amazonとかの書評を読むと、泣かせるだけの小説だとか、
嘘くさいだとかいった酷評と、
泣きました、という感動評が半々ぐらいあります。
名取さんの他の小説を、ネットで頼んでも、お盆のためか、全然届かないので、
これをずっと読み直すしかありません。
前に言ったように、最新作『図書室のはこぶね』が同様に凄く面白かったので、
その秘密を探ろうと短編集を読み始めたのですが、
どの短編も「企み」がちゃんとあって、それが長編と違い、露骨だと毛嫌いする方も多い原因だと思いますが、
読み手の感情コントロール術に長けていることは、決してマイナスでありませんよね。
「企み」を無視して、創る僕には、改めて自作を点検する、とてもいい参考となりました。
僕が思った「企み」とは、主人公を、これでもか、と不幸や理不尽さへ落とし込むことと、そこからのどんでん返しです。
ストーリーを語れば、読み手がついてくるなんて、全然読み手ファーストじゃない。
傲慢ですよね。
それを、つくづく深く感じました。