すっかり忘れていた、西脇順三郎賞 | 読書と、現代詩・小説創作、猫を愛する人たちへ送る。(32分の1の毎日の努力を綴る)

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文学創作と大学通信等を書いています。【やりたい夢(小説家)がある1/2→夢を叶える努力をする1/4→完成作を応募(挑戦)する1/8→落選する1/16→落選しても諦めず・また努力・挑戦する1/32】(=日々、この1/32の努力を綴るブログです。笑)

昨日、西脇順三郎賞の詩集部門へ、去年、出した自分の詩集を5冊、送って応募完了しました。

すっかり失念していたので、もう出した気分でおりました。


この西脇順三郎賞は、今回が第一回になるので、受賞傾向も何もわからない状態なんですが、

西脇順三郎の名を冠したからには、単純な抒情詩ではないことは明白だと思います。


鮎川信夫賞や高見順賞、三好達治賞など、終了する大御所の詩人賞が多い中、

新設される貴重なビッグ・ネーム賞ですし、その選考講評も『現代詩手帖』で公表されるようですから、盛り上がること、間違いなしだと思っております。


僕は自分の詩の原点の一つは西脇順三郎さんなので、いつか受賞したいな、と希望を持っております。

思えば、教科書に載っていた詩人で、もっとも衝撃を受けたのが、西脇順三郎だと言っても過言ではありません。

*      *     *

  雨


南風は柔い女神をもたらした。

青銅をぬらした、噴水をぬらした、

ツバメの羽と黄金の毛をぬらした、

潮をぬらし、砂をぬらし、魚をぬらした。

静かに寺院と風呂場と劇場をぬらした、

この静かな柔い女神の行列が

私の舌をぬらした。



   天気


(覆された宝石)のやうな朝

何人か戸口にてささやく

それは神の生誕の日。


*     *     *


この「雨」「天気」は詩集『ambarvalia』で、

もう一つ、『旅人かえらず』からも、何か載っていたはず。

どうしたら、こんな詩が書けるんだろう、と嫉妬や絶望するどころか、

天分の凄さに、ただ驚嘆するばかりの高校生でした。


まさか、後年、こうして自分が書けるなんで、全く思えなかっただけに、

神様はつくづく悪戯好き過ぎます。笑


詩が書けるようになってから、この二つの詩を何度も読み直し、分析し尽くして、

自分の中に咀嚼吸収して、大きく昇華しております。


さて、初心者向けだと言う、この賞の詩篇部門にも、精鋭を選りすぐり、送り込むつもりです。