言わずと知れた、新感覚派の旗頭。
あのノーベル文学賞の川端康成も同じ新感覚派を経ている。
「蠅」を分析読みするのは、何度目だろう。
正直、好きじゃない。
あまり面白いとは思えない。
でも、今回読むと、僕の目指す方向性の一つであることは認めざるを得ない。
面白くないのは、ところどころ日常を異化表現でメタモルフォーゼしているのだが、
それが今の僕には「当たり前」過ぎて、つまらなく感じるからだと思う。
また、「蠅」が短編過ぎて、人物に深みがないからだろう。
でも、描写イメージの、映画的なカメラワークの上手さは認めざるを得ない。
これ、焦点化人物に入り込む場面と、今回のような冒頭場面とに分けたら、
現代でも充分、使えるのかな。
そう、思ってしまった。