取り敢えず2枚。(ほかにあらすじ断片文が3枚あります。)
ストーリーを具現化するのではなく、各段落ごと、シーンごとに伝えるべき人物情報と、読み手を楽しませるさまざまな役割を考えつつ書く。
物語は、僕のものではなく、あくまでも読み手を楽しませるもの、という意識を心の中で何度も確認しながら、独りよがりな内省文を極力省くよう心掛ける。
読み手は小学生中学年を想定しているから、極力、難しい言葉は使わないよう注意する。
ところが、何十年かぶりに井伏鱒二の「山椒魚」を読む機会があった。
じっくり読むと、この「山椒魚」は井伏鱒二の文体のうまさに気づかされる。
最初、擬似三人称っぽい語り口なのに、後半、語り手が文面に「諸君は」と読み手に呼びかけて、文中に出てきてからは、山椒魚本体からは距離を取る三人称になっている気がする。
その後、山椒魚は傍観者から物語の当事者に変わる。
変わってからは、どんどんと展開される。
上手いと思った。
冒頭の1文。
「山椒魚は悲しんだ」が、太宰治の「走れメロス」の「メロスは激怒した」にパクられていることは、
初めて知った。
収穫だった。
で、今書こうとしている童話の文体も変えないといけないかな、と思っている。