講演会(20) 谷崎潤一郎賞記念 星野智幸さん | 読書と、現代詩・小説創作、物語と猫を愛する人たちへ送る部屋

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小説や詩の創作、猫また大学通信を書いています。Twitterは、atlan(筆名:竹之内稔)@atlan83837218 放送大学在学中。「第8回新しい詩の声」優秀賞を受賞。
 京都芸術大学の通信洋画&文芸コース卒業/慶應義塾大学通信卒業/東洋大通信卒業/放送大大学院の修士全科生修了。

とうとう、今年20個目の講演会です。
20個は、凄いです。

この作家の講演会巡りを始めて、今年で9年になりますが、
だいたい年平均8個ぐらい、今までの最高が13個でしたから、
20個という数字はたぶん、破られることはもう無いでしょうね。

さて、星野智幸さんの話。
とても良かったです。
講座として受講した寒竹泉美さんのを除ければ、
今期の講演会中ベスト1と断言できるでしょうか。

その骨子は、想像力の使い方というか、
作家の想像力の働かせ方を、たっぷり1時間半掛けて、レクチャーしてもらったと言えましょうか。

星野さん曰くの、内容をかいつまんでまとめると、
以下のようになります。
「1度働かせた程度では、偏見や既存の価値観から抜け出せない。紋切り型に陥ってしまい、自由になれない。
その細部にまで徹底的に何度も、何度も考え抜く。
紙にも書いてみると、また想像力が働いて、やっと自由な空想に到達できる。」

星野さんは、一度空想に入ると、何日も何日もそれを考え抜くのだそうです。
小説を書く際も、どういう題材か、テーマは、どうするのか、を決めたら、何時間も空想を続けるのだそうです。

空想の中で、複数の生き方を同時に考えるし、
時には、全くの他人の人生を生きる「楽しい時間」を経験する、のだそうです。

恐れ入りました。
僕の考える空想など、中途半端な出来損ないで、まるで足元には及ばないことが。よく分かりました。

凄く勉強になりました。
これだから、いくら外れがあっても作家の講演会はやめられません。

けど、ここで僕が書いたことも、実際にご本人から聞かないと、その切実さは絶対分からないでしょうね、