詩人で小説家の、平田俊子さんを目当てに買った短編集『それでもお金は必要だ』の中から一編、
星野智幸さんの「人間バンク」。
星野さんは、純文学系の作家でありながら、
エンタメ系寄りの、少し不思議な作品を書く作家。
ある意味、僕の目指すべきポジションでもある。
本作「人間バンク」も、人間を「百万人貨」に換算することから始まる、ちょっと不思議な設定で、ストーリーが展開する。
「百万円」ではなく、「百万人貨」です。
これ以上はネタバレになるので、言いません。
また、最後のオチは、僕には現代詩的なメタモルフォーゼ、異化効果で終わっている気がしました。
こう来たか、と勉強になりました。
主人公の立つ位置が、物語の始めと終わりでは異なっているべきですからね。
さて、本作は、原稿用紙で58枚になります。
平田俊子さんの「バスと遺産」は、原稿用紙56枚。
残念ながら、後者は期待した出来ではなく、僕的には不発でした。
58枚でも、短いと思うのに、川端康成青春文学賞は30枚以下。
うーん、どう書くべきか、ここ1週間ずっと考え、迷ってます。
ただ、やはり、現代詩的な「異化」アプローチをすべきか、と思っています。