ぐだぐだ読書日記~「映画化作品、映画本」 | 映画館でぐだぐだ考えた

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映画の感想、音楽、アウトドアについてなど、ぐだぐだと書き付けています。書いている期間だけが長いサイトです。

年も改まったとたん、見たい映画だらけになってしまいまして。僕の映画鑑賞ペースだと全部見るのはちょっと無理。とてもその中から「選べない」ということもあり、今週は新作鑑賞は自粛。なんでこんなに公開が固まるんでしょうねぇ。。。

 

というわけで、久しぶりに読んだ本を備忘録的にまとめておきます。

 

某日。

「ライムスター宇多丸の映画カウンセリング」を読む。

これ、年末年始に一気に読みました。ラジオの語り口そのままに、お悩み相談を映画にひっかけて回答する、という雑誌の企画の単行本化です。

 

 

 

この前後に町山智浩「最も危険なアメリカ映画」も出版され、そちらも一気読みしたので、どちらの本も地続きの印象を持ってしまいましたが。。(苦笑)

 

とにかく映画の知識の量がすごいので、知っている映画や知らない映画の、まさしく「駄話」的なウンチクを楽しむことができます。が、読んでいて思ったのが、悩んでいる人にとってその映画を見ることがどんな意味があるのか?と思ったのも事実。

例えば「原発」問題のお悩みというか意見を求められて、「チャイナシンドローム」を見たとしても。。かえってその闇の深さを確認するだけというか。。ま、「そういう企画」なんで突っ込むだけヤボですねぇ。。

 

某日。

「怒り」吉田修一を読む。

 

 

 

 

これ、映画を見て原作が気になっていた作品。僕の映画版の感想としては、とにかく人を信じる/信じないの文学的テーマを、ミステリ仕立ての物語に落とし込んだために、食い合わせが悪くなってテーマがぼやけてしまった、なんじゃこれ、というのが正直なものでした。期待していただけにがっかりもひどくて、2016年のワーストにも選んだほど。

 

で、原作はどうだったかといえば。。。意外というか、ミステリよりリーダブルで読みやすくて、面白かった、と思いました。一気読みしました。物語は完全に映画版と同じですが、映画の改変が幾つかあり、一番大きいのが捜査する刑事にも「信じる/信じない」の物語を抱えている、そこが詳しく描かれて、単純なエンタメ/ミステリとの差別化を図っているところでした。

※これぞ中間小説!って思いました。

また、僕の要約でいうところの「無人島0円生活」のキャラ、女子高生が物語のキーを握っているのですが、彼女の物語や、エンディングの「事件」も映画版で改変が行われていました。

結局。。。小説:面白いし、映画版でダメだったところは気にならず。ただやっぱり、この物語の結末は問題があると思ってしまいますが。。映画:改変して物語の欠点が強化されてないっすか?っていうのが原作も読んでみての総括でした。

 

某日。

「アイ・アム・ア・ヒーロー はじまりの日」を見る。

 

映画「アイ・アム・ア・ヒーロー」にはスピンオフドラマがあり、主要キャラの「藪さん」(長澤まさみ)主演の前日譚だと知っていました。先日、レンタルビデオ屋を覗いたらこれがレンタル開始となっていて、ヨメが見たがったので鑑賞してみました。

 

元はインターネット放送、dTVで放送されたドラマ。いわゆるフェイクドキュメンタリーの形式、ファウンドフッテージってやつで、感染症でDQNが増殖していく、「その日」をマンションのエレベータ、病院の密着取材映像、CSテレビのローカルバス取材映像などを通して描きます。

 

監督は長江俊和さんという、「パラノーマルアクティビティ」シリーズも撮られた監督さんのようです。だから得意な形式のはずですが。。。

 

う~ん。まず緊迫感にかける演出。特に目の前で次々と人が「異常な」事態になっているのに、そのまま何もなかったかのように過ごします。例えばCS番組のクルー。普通、運転手が襲われて血が出てたりしていれば、病院に連れていくとか、少なくとも撮影は中止にするはず。

また、気になったのがノイズとともに画面が乱れる演出。多用しすぎだし、必然性もなし。

 

例えばとんかつ屋のおっさんが油に顔面を突っ込むところとかは嬉しい(?)展開だったし、いいところもあると思いますが、総体的に、うん。クオリティは低いです。特に「アイアムアヒーロー」の「藪さん」の雄姿をスピンオフで見たい、という向きには「見ないで~」と言いたいです。

 

某日。

やっぱ香港映画みときゃよかったかなぁ。。