【生理学・活動電位のしくみ】 | 未来スターを日々診療

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(たにかわスポーツ疾患研究室)

医療系の国家試験が近づいて来ましたね。

 

医師、看護師、理学療法士、作業療法士、柔整師、鍼灸師など

 

共通科目は解剖学や生理学など。

 

特に生理学は出題の割合も多く解剖学の様に単に「覚える」だけではなく「機能を理解」する違いがあることから苦手な学生さんも多い様です。

 

先日、来年国試を控えるスタッフさんから質問がありましたので解説させて頂きます。

 

【以下、生理学の細胞の活動電位について】

 

 

【問題】:心筋の再分極に最も影響するのはどれか?

 

1.Ca2⁺電流

2.K⁺電流

3.Na⁺電流

4.細胞外電流

5.ペースメーカー電流

 

♦答え:2

 

運動や外から体に刺激が入った時に細胞では実は以下のしくみが行われているんです。

 

心筋でも横紋筋でも細胞において活動電位は以下の図の様に①脱分極(Na⁺細胞内に流入)、②再分極(K⁺細胞外に流出)でセットで覚えると良いですね。*その際細胞内はマイナスに傾く(補足)陽イオンであるカリウムが少なくなる為。

 

 

通常は安静時は細胞膜の外にNa⁺多い 細胞の内にK⁺多い 状態になっている。(細胞内ではこの状態を静止膜電位-70mVを保っている)【静止膜電位】

 

これが日常生活で心臓のポンプ作用や重い物を持った際に筋肉が収縮したときに細胞内では以下のことが発生(神経の興奮)する。

 

①最初に細胞の外からNa⁺が細胞内に入ってくる(Naポンプが開いてそこから流入)一瞬で起こる何ミリ秒【脱分極期】

*この時細胞内はプラスが多くなる。

 

②その後細胞内にあったK⁺が外に汲みだされる(Kポンプが開いてそこから流出)【再分極期】

*この時細胞内はマイナスが多くなる。

 

③しかしこの後は自然にもとの静止膜電位のもとの状態にゆっくり戻ります。

*細胞膜はポンプがなくてもK⁺だけ通す膜になっているので徐々にまた細胞の外と内のNa⁺とK⁺の割合が戻る。【静止膜電位】

 

♦補足:生物の祖先は海から誕生しているので細胞の外はNa(塩)と言う感じで覚えておくと良いですね。


・柔整師の出題数は計250問あり昨年の合格率は49%と大変厳しい年たったと記憶しております。

この250問のうち50問の基礎問題が80%回答しないと落ちるのでこの基礎問題を徹底的に攻略できると良いですね。