気のせいか
今年はさくらの色が薄い気がする
ピンクより白に近い様な
それは文字通り気のせいかも知れない
彩りは記憶に残る
記憶の中のピンクがちょっとだけ深まっているからなのかも知れない

スポーツ観戦の記憶に彩りを添えてくれる
土壇場でのクラッチ
それは「添える」という然り気無いものではなく
やがて記憶の中核を占め、海馬に感涙と共に鮮やかに刻まれる

松井秀喜がいたヤンキースのワールドシリーズ
その記憶は彩り豊かで鮮明だ
ヤンキースのユニフォームはモノトーンだったにも関わらず
その時、日本橋で焼魚定食を食べていたことも覚えている
ポストシーズンの初戦から注目していると
ワールドシリーズ終盤のドキドキ度は凄まじく、レッドゾーン内で震えていた
定食を食べる箸の動きがいつもより固くて、上手くお魚が食べれなかった
選手のプレッシャーは計り知れない
土壇場でのクラッチヒット

東京オリンピックの女子バスケット
心臓が飛び出しそうな時が流れた後の最終盤
林咲希の3ポイント
シューター林の3はなかなか決まらなかった
あの時のプレッシャーは想像を絶する
土壇場でのクラッチシュート

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

日本時間とUSA時間の1日には勿論ずれがあるが
暦の上での1日と体感としての1日にもずれがある
早朝(未明)の出来事は、ファンにとっては時として前日の余韻の中の出来事
2024/3/31~4/1
土壇場の2死満塁
大谷翔平は打ち損じたが
鈴木誠也は試合を決める2打点タイムリーを放った
(何故かあまり報じられていないので記しておくのだ)
土壇場でのクラッチヒット

「土壇場のクラッチ」表現はナンセンスだ
元来「クラッチ」とは土壇場で勝利を掴み取る意味があるからだ
例えて言えば
「チゲ鍋」や「○○通りストレート」のような感じ
(チゲは鍋の意味を含む、○○通りを訳すと上記)
しかし 
意味は通じるし、強調表現としてありだと個人的には思う

年度最終日、スポーツでの印象的な出来事が重なった

1試合に多くのことが盛り込まれていたドジャース戦
いつもの姿の山本由伸が前半を制圧した
いつもの姿の大谷翔平がドジャースのここ2年間で最速打球を放った
(翌日には球団最速打球を放った)

小祝さくら最終日逆転優勝
さくら開花日に合わせてさくら咲く
小祝らしい勝ち方だが
かつては最終日に逆転を許していた
最終日最終ホールで優勝を決めるパットを捩じ込む
土壇場のクラッチパット

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

勝負処で勝負強い打者がその実力を発揮しても
65%は結果としてアウトになるのが野球
しかしあの時、大谷は打ち損じた
その実力を発揮出来なかった
大谷は決して勝負弱い打者ではない
得点圏打率は3割を超えている
昨年「打てば逆転サヨナラホームラン」の場面で、打ち損じせず大飛球を飛ばしている
(惜しくも強い風に押し戻された一撃は、厳密には僅かに打ち損じかも知れないが)
記憶に新しいWBCメキシコ戦の9回
絶対に長打が欲しい場面で長打
だがしかし
史上最も完璧に近い野球選手の大谷になくて松井秀喜にあるもの、もある
タイトルに無縁だった松井がニューヨークで伝説になっている理由でもある
向上心の塊の大谷
曼陀羅チャートの大谷
百も承知に違いない
大谷の最後のスイングは
1000分の1秒遅かったかも知れないし
0.1ミリ下を叩いたかも知れないと
ファンが漠然と思う一撃、本人は明確に分析済みに違いない
逆転サヨナラ満塁ホームラン的打撃
大谷の奇跡の軌跡、その後半の重要なピースとして彩りを加えてくれるのは、きっとそれだろう

ミスターオクトーバーと呼ばれたレジー・ジャクソンやディビット・ジャスティス
数多くのサヨナラホームランを含むサヨナラ安打を放った伝説のフランク・ロビンソン
無類の勝負強さで知られたケン・グリフィ・シニア
生来勝負強かったか否かは不明だ
人知れず努力したことは間違いない
ジャクソンはチャンスでの三振王だったらしいし
グリフィは打点が稼げない苦しいシーズンを経験している

松井は海を渡って勝負強くなったと感じた
「ニューヨークでは兎に角勝負処で打つ」
との強い決意があったと思われる
イチローや大谷の活躍は、漫画の様だと評されることも多いが
本拠地デビュー戦で名刺代わりの満塁ホームランも漫画の様だった
極上の集中と集中したら力を発揮出来る極上の能力によるものだ
決して、東京NRT発ニューヨークJFK行の北極航路の極地上空で突如身に付いたものではないはずだ

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

小祝さくらはプロ入り後しばらくは
優勝しても不思議ない(どころか1番上手い)ゴルフをしていたにも関わらず勝てなかった
2位が続いていたし、最終日に崩れていた
勝つべくして負けていた
しかしある時、最終日に強くなったと思う
小祝の中で何かが実を結び進化したのだろう

マイケル・ジョーダンは勝負強いメンタルを持っていたと思うが
更に精神科医のアドバイスを受け
メンタルトレーニングを重ねていたようだ
巨大なプレッシャーに対峙するために
毎試合20点以上取れる選手も、序盤のシュートが連続して外れたら、無類の恐怖に襲われると聞く
もしかしたら1点も取れないのではないか?
1本外したら2倍、2本外したら4倍、3本外したら8倍のプレッシャーに成っていたのかも知れない
メンタルトレーニングも重視したジョーダンは、実に数多くの
土壇場のクラッチシュートを沈めまくった

村田諒太は元々勝負強かったと思う
だからこそ、金メダリストに成れたのだろう
しかしそれでも、ゴロフキンと戦う前
スポーツメンタルトレーナーの田中ウルヴェ京のカウンセリングを受けていた
村田は「凄くプラスになった」と語っていた
いくつかのラウンドで村田はミドル級史上最強レベルだったと思う
攻められた後のピンチ
土壇場のクラッチ右ストレートはヒットした



クラッチシューター林咲希

間違いなくミドル級の歴史に残った村田諒太
鮮やかな彩りと共に