ミスティックゴート 6 | 気まぐれ図書館

気まぐれ図書館

気ままに綴っていきます。
主に、サイト更新関連かと。
社会人しながら、専門で小説の勉強中です^^

「ッ…!」



 一人、飛び出したシェオルは、村に向かう途中で足を止めた。



「みんな…」



 思わず口に出したものの、果たして言葉になったかどうかはわからない。だが、その光景は、あまりにも無惨だった。



 森の中に、三人の遺体。切り刻まれ、炎に焼かれたような傷跡まで負って、事切れている村人に、シェオルは思わず歯噛みした。



――俺が、もっと早く気づいてれば…。



 後悔しても遅い。



 そのことは、シェオル自身が幼い頃に身を持って体験したこと。だが、それでも払拭できないのは、あの光景が、あまりにもインパクトが強かったから。



「シェオル!!」



 不意に、自分を呼ぶ声。

 気付いた時には、魔物はすぐ目と鼻の先で。だが、次の瞬間には、それは吹き飛ばされていた。いや、正確には、撃ち抜かれたのだ。



「レット、ザグ!」

「油断大敵、だろ? シェオル」

「ったく、一人で突っ走るなよな」



 肩で呼吸する二人の姿を見、シェオルは思わず苦笑した。本当に、この二人の友達思いには、いつも助けられる。



「行くぞ“エレス=フィルア”」

「やるぜ“レオル=アルマ”」



 二人の声に呼応して、それぞれガイアが光る。レットの銃からは美しい女性が、ザグの槍からはいかめしい男性が現れる。



「具象化までしてくれるなんて、百人力だな」

「言っている場合か?」



 単純に感心していたシェオルを諭すように、レット。それにまた苦笑で返し、



「急ごう。村が危ない」



 ようやく、平常心を取り戻し始めたシェオルは、先頭に立って走り出した。