王子様とお姫様。 1 何をするでもなかった。 ただ、歩きたくなって、どこへ行くでもなく歩いていた夜道。 うるさい、嫌な音が響く。 「ッ…!」 気付いた時には、目の前には、つまずいて、うずくまる少女。小説や漫画なら、これを運命と呼びたがるに違いない。 ざぁぁ 降りしきる、雨。 「……」 気付けば、傘を差しだし、声をかけていた。 「大丈夫かい?」 「あ…」 俺と君の、物語の始まりだった。