「英語を話します」と言うと、「バイリンガルっていいですねぇ」と言われたりする。自分がバイリンガルという意識はあまりないが、ネットで定義を調べみると、「二か国語を、場面・状況に応じて自由に使いこなせること。また、その人。」(出典 精選版 日本国語大辞典)のことを指すらしい。ということは、私、バイリンガルなのかなと思う。

最近は英語を話す人が本当に多くなり、「バイリンガルも増えたなぁ」みたいな話を英語ネイディブの人としたときに、「でも、biculturalとは限らないよね。」と言われた。bicultural?調べてみると、二か国語の言語・習慣・道徳などを、その国の人と同レベルにみつけていたり、また理解できたりするさまを指すことらしい。

なるほど、確かにそうかもしれない。英語は流暢に話すのだが、どこか何か微妙な違和感を感じる場合がある。だいたいそういう時は、言葉の選択が良くなかったり、内容が本当に微妙にずれていたりする。そう、「ネイティブならそれは言わないよ」的な。

言語には、その言語が話される場所の社会や文化がくっついている。その言語の文法や語彙が理解でき、使うことができるとしても、それはある意味表面的な記号のやり取りとなってしまう可能性がある。言語を運用するにあたり、一つ一つの言葉や表現が抱える社会・文化的な情報を理解しておくことは、適切にその言語を話す上で必須だ。表に出てきている言葉の後ろに隠されたところを理解することがbiculturalであり、本当の意味でbilingual、あるいは、その言葉を運用できることになるのではないか。

講座でも、うず巻きと矢印で英語圏の人と日本人との思考の提示の違いを学ぶ。なるべく誤解のない、スムーズなコミュニケーションを行うには、自分が持っている英語というツールをどう使うのかを考えなければいけないだろう。ツールはうまく使いたい。それを助けるのが、bicultural、multiculturalという視点で言語をとらえ、使うことではないだろうか。異言語、そして異文化を尊重し、理解しようとし、そして使えるようになりたいものだ。


英語コミュニケーション講座
講師 Emma