英語コミュニケーション講師Macです。

 

私事ですが、この秋、娘の大学進学が決まりました。 

娘はボルネオ島で育ち12歳の時に日本にやって来ました。日本語があまりできないで苦労しているのに「英語ができて良いわね」とか「ハーフで可愛い」などと言われ、環境に馴染めずに中学に入ってからすぐに不登校になりました。 

 

娘は12歳までインターナショナルスクールで様々な国籍、肌の色、宗教とまさに多様性の坩堝の中で育ちました。その中で自分の意見を持ち、はっきりとその意見を述べることが一番大切だと教えられました。そのお陰で相手が親でも先生でも、もちろん礼儀は忘れることなく、自分の考えを述べることができる子供になりました。 

 

娘が日本で不登校になった直接のきっかけは、クラスメートの女の子に対するいじめを目撃し、それを担任の先生に訴えたことでした。娘はいわゆる日本の「空気を読む」とか「忖度する」とか「長いモノに巻かれる」と言った文化を理解できず、ただいじめられる女の子が可哀想と思ったから訴えたのでした。 

その結果、自分が周囲から浮いてしまい、挙句の果てには担任の先生から「あなたは変わってるわね」と笑われたことでショックを受けて長い間心の病に苦しんだのです。 

 

私は娘が不登校になって何年も苦しんでいる間ずっと彼女の味方になりました。 

自分の意見を述べること、自分の信じる行動を取ることは、正しいことだと一貫して教えてきたからです。 

 

高校中退した娘は高卒認定を取得し、今年自分の志望大学に見事合格したのです。 

何よりも嬉しかったのは、自分の体験に基づいて日本社会における多様性への鋭い意見を述べた小論文が評価されたことでした。 

もちろん個人的な理由もさることながら、それよりももっと大きな意味で私は娘の問題で心を痛めていたからです。 

 

日本社会は長い村社会の歴史の中で独特の文化を築いてきました。それは村の中でお互いによく知っている同士が言葉にしなくても理解し合えたり、暗黙のルールが通用する社会だからこそ上手くいった文化です。 

でも今や日本は外国ともたくさん交流し、外国人もどんどん日本に入ってくるし、日本人同士であっても同じ村で育った訳ではない知らない同士ばかりです。 

 

現在の日本を見ていると「忖度」や「空気を読む」といった文化のマイナス面が目立ち、政治、経済、社会問題など様々な面でうまくいっていない部分はそのマイナス面の影響が大きいような気がするのです。 

 

この英語講座では、自分の頭で考えて自分の意見を持つこと、そしてその意見をきちんと述べることが大切とされます。それは英語で海外の人々とコミュニケーションをとる時には基礎となるからです。自分の意見がないのに相手の意見を本当の意味で尊重は出来ませんよね。 

でもそれだけではなく、私はこれからの日本においてもとても大切なスキルだと信じています。混沌とした未来の中で自分を見失わないため、そして日本社会の未来のためにも。 

 

だから皆さんには、この英語講座の中ではどんどん練習をして頂きたい。自分の意見を述べたせいで、浮いたり気まずくなったり笑われたりすることは、この講座ではありません。実際に社会に出たら簡単ではないかも知れません。だからこそ今のうちに円滑なコミュニケーションの方法として上手に意見を述べることを練習して頂きたいのです。 

 

みんなが自分の頭で考えてその意見を伝え合う、相手の意見に耳を傾けお互いに切磋琢磨して高め合う。そんな社会が広まればきっと世界は良くなるはず。 

 

 

 

英語コミュニケーション講座

担当講師 Mac