今私はカナダに来ています。海外生活には慣れていると思っている私でしたが、いろんな気づきやサプライズ、カルチャーショックは常にあります。小さな気づきですが、皆さんとこれから少しずつ共有させていただきます。

 

今回はその2回目で、「多言語社会で暮らすって?」ついてです。

 

私が現在滞在している場所はオンタリオ州のサドバリーという人口約16万人の街です。トロントから五大湖の合間を抜けて400kmほど北上した場所にあります。湖が大小数百もあるという地域で、水不足に悩む香川県から来た私にとってはその水の豊かさと緑の美しさが目に眩しく感じられる場所です。

 

オンタリオ州は英語が主言語の州ですが、サドバリー周辺には歴史の足跡というか、フランス語を話す小さなコミュニティが点在しています。

 

言語を複数話す人がいる地域では自然とそれぞれの文化も言語や社会に影響します。それはフランス語圏の人たちが受け継いできた文化が言葉や生活習慣に残されている点でそれを感じます。

 

最も顕著なのは食べ物。もう今はフランスには存在しないメニューがフランス系カナダ人の食事として残っていたりします。

 

(Poutineはフライドポテトにグレイビーソースとチーズのかたまりをのせたフランス系の料理。)

 

さて話を今日のトピック、多言語社会に戻しましょう。

この二言語が共存する地域に滞在してみて、顕著に気づいたこと。それはズバリこの地域に住む人たちの「言語を相手に合わせて変える」その臨機応変さです。

 

当然のことですが、言語を話す一番の目的はコミュニケーションを取ることです。そのためには相手にわかる言語で話そうとしますよね。サドバリー周辺はカナダでもフランス語と英語の両方を使いこなす人が入り混じって暮らす地域とはいえ、どちらの言語で教育を受けたか、また家族との会話の主言語がどちらだったかによって、言語の得手不得手が異なります。私のいるコミュニティでは仏英の両言語をほぼバイリンガルにこなす人が多い印象。そこに私のような英語しかわからない人物が入ると、皆さんが気を遣って英語で話してくれます。

 

さらにはカナダは移民を多く受け入れている国ですので、英語やフランス語が母国語でない人のコミュニティも多く存在します。その人たちとコミュニケーションをとるときにも、共通言語を使います。英語の場合もあれば、フランス語の時もあり。

 

日本に住む私たちの生活のまわりで同じような状況、と言えば日本の様々な出身地の人が集まると標準語で話す、という感じでしょうか。

 

同じ言語を話す、というのは相手への思いやりでもあると私は思っています。相手にとってわかる言語を使う、相手にとって分かりやすい単語を選ぶ、発音やスピードにも気をつける。そんなことを毎日無意識のうちに行うのが多言語社会のunsaid rulesなのかと予想します。

 

これは私たちの英語コミュニケーション講座でも、発音について学習する際に少し触れます。小さな心遣いですが、私は大切にしたいと思っているものの一つです。

 

 

英語コミュニケーション講座

担当講師 Mitsi